2500097744_45620f6382_zたくさん本を読みたいけど、お金がかかる…と言う人は多いはず。ちょっとでも安く本を手に入れるには、どうすればよいでしょうか。(参考 「新刊を買う?古本を買う?それとも借りる?」

■無料で読む=借りる

○図書館を利用する

無料で本を読むなら、だれでも思いつくのは図書館です。図書館内で読むか、借り出して一定期間内で読まなければならない、借り物なので書き込みなどできないというデメリットはありますが、本好きには魅力的な場所です。
昔の公共図書館は日中しか開いていないとか、夜に返却ができないなど不便な部分もありましたが、最近はブックポスト返却は当たり前、予約資料をコンビニなどで受け取り・返却できるサービスを行っている所も増えてきました。

また世の中には、地方自治体が運営する図書館だけでなく、民間図書館、個人図書館、専門図書館、学校図書館など、様々な形態の図書館があります。蔵書の規模、分野、使用方法も様々なので、用途に応じて使い分けると良いでしょう。詳しくは別の機会にお話しします。

 ○書店で立ち読みする

「ドラえもん」だったか何か忘れましたが、書店で立ち読みしていると店のおじさんがハタキを持ってやってきて追い出す、というシーンが一種の定型句として描かれていました。

すなわち、「立ち読み=悪」という考え方が一般的だったのですが、最近は考え方がずいぶん変わってきて、大型書店でも立ち読み、座り読みを推奨する店が増えてきています。池袋に本店を持つジュンク堂書店(参考 「あんたのとくちょう何ァンざンす?~チェーン店にも特徴がある~」)はその先駆的な例で、店内のあちこちに椅子が置いてあり、じっくり本を読んで選ぶことができます。あくまでも「購入が前提」の「試し読み」が目的ですので、ここで本を全て読み切ってしまうのはマナー違反ですが、じっくり吟味して買いたい人にはお勧めです。

○マンガ喫茶(インターネットカフェ)

マンガや雑誌は、マンガ喫茶(インターネットカフェ)で読むことができます。大長編のマンガ作品を一気読みすることも可能です。大型のお店では選びきれないほどのマンガが並んでいます。

○本棚のあるカフェ,etc...を利用する

厳密には無料とは言えないかもしれませんが、本棚が設置されていて自由に取り出して読めるお店は結構あります。カフェでコーヒーを頼み、本棚からインスピレーションで選び出してゆったり読むのも良いですね。

また最近は店内の本を読み、気に入ったらそのまま本を購入できる「ブックカフェ」もあります。(新刊本を扱うお店もあれば、古本を扱うお店もあります)

■安く借りる

○レンタルブック(貸本)

かつて「貸本」という商売がありましたが、最近はコミック(マンガ)を中心に「貸しマンガ」「レンタルコミック」を行うお店が出てきています。TSUTAYAは全国的にサービスを展開しています。

■安く買う

○古本を買う

本の状態を気にしないならば、新刊でなく古本を買うことで、安く手に入れることができます。

古本の手に入れ方は様々で、古本屋さんに足を運ぶ他、最近はAmazonのマーケットプレイスを利用したり、ヤフオク・メルカリなどのサービスをうまく活用できると、かなり色々な本を手に入れることができます。具体的な方法、使い分けはまた別の機会に。

○バーゲンブックフェアを利用する

日本では、多くの新刊書籍が「再販売価格維持契約(再販制度)」に従って流通しており、新刊書籍は原則として定価で販売することに決められています。

刊行後6か月を超過した本の中から、出版社が自由価格本としてこの再販制度から外した本が「バーゲンブックフェア」で販売されます。全国の書店で定期的にイベントとして行われており、新刊書籍が低下の数10%オフで購入できます。ただし、販売される書籍のジャンルは限られます。実用書や児童書が多いようです。

○電子書籍を購入する

AmazonのKindleや、AppleのiPadが普及し、タブレットやPCで読む「電子書籍」がじわじわと浸透しています。印刷費や流通費用が掛からない分、電子書籍版の方が安く価格設定されていることが多いので、電子書籍で読むのも安く本を読む一つの方法です。

市販書籍の電子版だけでなく、刊行に必要な初期費用が格安であるために、電子書籍のみで販売される本も数多く存在します。

古本の場合、二人目以降の読者から著者へは一切印税が支払われませんが、電子書籍の場合は安く手に入れた上にちゃんと著者にも印税がフィードバックされるので、自分の応援する作者・著者にちゃんと対価を支払えるという点も特徴です。また、著者としても売り上げ状況がダイレクトに把握できるメリットもあるようです。



Food for the wallet / _Dinkel_

5997948731_53a5e239a5_z書店の特徴を見極めるためには、書店のある「場所」も大事です。書店も商売ですから、売り上げを伸ばすためにはその場所に集まるお客さんに応じた品ぞろえを目指します。そのため、場所ごとの特徴が良く現れます。

■例1 駅ナカ書店

この記事は大阪に向かう新幹線の中で下書きを書いています。新幹線に乗る前、時間調整を兼ねて駅ナカの書店を2軒回ってから乗車しました。

山椒は小粒でもぴりりと辛い~小型書店の特徴~」の話でも触れていますが、駅ナカの書店には文庫本や新書、コミックが重点的に置かれていることが多いです。店舗面積の問題もあるのでしょうが、東京駅は広いので、駅ナカ書店と言ってもそこそこの面積があります。店舗面積の制約ではなく、電車に持ち込んで読むことを想定し、携行性の高い商品を多く置いているのでしょう。重いハードカバー本もないわけでありませんが、数は限られています。

また、それ以外の商品を見ると、ビジネス書の比率が多いことにも気づきます。新幹線出張のサラリーマンを見込んでのセレクトであることは容易に想像できます。

旅行ガイドや、諸外国語入門の本も目立ちます。こちらは旅行客を見込んでのセレクトでしょう。

■例2 大学

大学とは学問を修める所であり、インターネット全盛の時代とは言え、まだまだ学問に書物は不可欠です。(悲しいかな、遊び呆けて学問にも書物にも、見向きもしない学生もいます…このブログはそんな人に向けて書いています。微力ながら。)

そのため、大学近隣の書店、または学生の通学路上の書店は、その大学に合った品揃えになっていることが多いです。

あんたのとくちょう何ァンざンす?~チェーン店にも特徴がある~」で書いた、ブックファースト新宿本店の例がわかりやすい…というか一つの極端な例で、芸術関係に力を入れる書店にも関わらず、新宿本店は同ビルに入っている専門学校に合わせて、工学や医療関係書籍が充実しています。

もう一つ極端な例は、大学生協のように、大学の構内にある書店でしょう。学期はじめになると、各講義で使用する教科書や参考書がどんと積みあがり、まさにその大学用にカスタマイズされた書店となります。

そこまで極端ではないにしろ、音大の近くには音楽関係書籍が集まりますし、工学系大学近くには理工学の本が集まります。

売るだけでなく、仕入れもお客さんに頼る(全てではないが)古書店は、その傾向がもっと色濃いです。(古書店の話はまた別の機会に。)

■例3 文化施設

美術館や博物館、音楽ホールなど、特定用途向けの文化施設はあちこちにあります。そのような所には、その分野に関心の高い人が集まるので、書店の品揃えもそれに合わせたものになります。

知人が出演するコンサートを観るため、初台にあるオペラシティへ行った際、ビル中の書店を覗いてみると、やはりオペラ・クラシック関係の書籍が充実していました。

ですから、やみくもに歩き回って書店めぐりするよりも、ホールなど何かお出かけする時、ちょっと早めに現地に着くようにして、「ついで」のつもりでふらっと近くの書店を覗いてみる方が、かえって新たな発見を得られるかもしれません。



The View of Kogakuin University / Dick Thomas Johnson

わが母校、工学院大学新宿キャンパスからの眺め、左にそびえ立つのが、ブックファースト新宿本店が入るコクーンタワー。

2254515539_f5732a5f5b_z

膨大な本が並ぶ書店で、自分が《次に手に取るべき一冊》に出逢うためには、やみくもに歩き回るだけでは非効率的です。(その非効率さを楽しむというのも、それはそれで魅力的なのですが…)

次に足を運ぶ書店を選ぶ時も、次に手に取る書籍を選ぶときも、大事なのは「自分の興味・関心のあるのはどんな本か?」を明確に整理しておくことです。そこが明確になっていれば、自分に合った書店を見つけやすくなり、《次に手に取るべき一冊》に出会える確率も上がります。

整理の切り口はいくつもあるので、個人の好みに合わせて使い分けます。混在しても構いません。自分はどんな本に「興味関心があるのか」あるいは「興味関心がないのか」が自分の中で明確になっていれば良いのです。

整理の切り口(一例)

ジャンル

書店の棚はだいたい、ジャンルで分けられています。自分の興味あるジャンルを把握しておけば、その棚を探すだけで、興味ある本が次々目に入るはずです。ただ分類の仕方や名称は店舗によって異なるので、ジャンルによって棚を探す時は、店ごとの違いを把握しておく必要があります。

図書館では「日本十進分類法」という決まりに従って本が整理されます。元のしくみが作られてからかなりの年月が経っているので、実状と合っていない分類も正直あるのですが、図書館をよく使う人には便利ですし、ジャンル分類の指針としても使えます。知らない方は一度日本十進分類法の表を眺めて、どこに興味があるかチェックしておくのも良いと思います。
・出版社
どれほど多くの書籍を刊行する大出版社でも、やはり各出版社ごとに個性というものが出てきます。中小出版社になると個性がどんどん色濃くなっていきます。本にたくさん触れるうちに、好きな出版社、嫌いな出版社、特徴的な出版社…なんとなくわかってくるでしょう。

定期刊行物、特に雑誌などを出している出版社なら、雑誌を見てみると出版社の個性がよりわかりやすいように思います。

レーベル・シリーズなど

コミックやライトノベルなど、「レーベル」という区分がある場合は、レーベル単位で好きとか苦手とか考えることもできます。

「シリーズ」は、いわゆる連作となっている作品群を現しますが、「○△× 第1巻」「○△× 第2巻」…のような「続き物」だけでなく、特定テーマに関する複数の本が、~~シリーズとか~~叢書などと言った形でまとめられていることがあります。

著者など

好きな作者がいれば、その人の新作を常に追いかけるというのも良くある事です。あえて作者「など」としたのは、本の著者だけでなく、イラストレータを追いかける人などもいるからです。

形態

文庫、新書、ハードカバー、大型書など、自分が良く手にする本の形態を把握しておくのも時には有効です。おおまかな価格帯がわかりますし、形態ごとにも特徴があります。

 



Encounter / pierre bédat

1

4623820275_4f0b9a073f_zここでいう小型書店を明確に定義するのは難しいのですが、店舗面積が数畳程度、あるいは数棚しかないお店をイメージしています。具体的には駅ナカなどにある売店スタイルの書店、ローカル駅前のロータリーや商店街に紛れている、個人経営の小さな書店などを指します。また、純粋な書店とはちょっと違いますが、スーパーのレジ脇などにある書籍コーナーや、コンビニの雑誌・書籍棚を入れても良いでしょう。

基本的な特徴は、「中・中・タコかいな?~中型書店の特徴~」で書いた中型書店のそれと変わりません。ただ、中型書店よりさらに棚が少なく、扱える書籍数が極端に少ないため、並ぶ本のジャンルは限定され、店の特徴が極端に現れます。

コンビニであれば多くのお店で雑誌が最優先で揃えられます。マンガ(通常のコミックスだけでなく、いわゆるコンビニコミックと呼ばれる安価な本を含む)を置く店も多いですが、棚一つ確保されていたり、雑誌コーナーの片隅に数冊おいてあるだけだったり、配分は様々です。加えて文庫本やビジネス新書などを置く店もあります。中には相当書籍に力を入れるお店もあり、私の職場近くにあるコンビニは平置きの選書棚が常設されていて、最新のベストセラー書籍が揃えられています。

駅ナカの書店になると、やはり電車の中で読まれることを意識して、小さいお店であっても文庫本や新書の比率が高くなります。どういうわけか高確率で官能小説文庫が扱われていることが多く、店によっては異様に目立つほど品ぞろえが充実しています。フランス書院(官能小説の大手レーベル)は揃って表紙が黒いので、棚一つが真っ黒で、よくよく見ると妖しい文言がその上に踊っている…なんて光景もしばしば目にします。

棚数も面積も小さいので、ごくごく短い時間でチェックできます。自分の生活圏内あるいは出先で見つけたら、まずは一度入って眺めてみる。自分の趣味に合うラインナップかどうかを見極めて、趣味に合うお店ならば、定点チェック対象のお店にするのが良いです。



Leaves, Japanese pepper 山椒 / nekonomania

2

3628914910_06c1ee6db0_zここでいう中型書店とは、平屋建て~2階建て程度のビル、またはスーパーや商業施設の中にテナントとして入っている書店をイメージしています。大型書店は新宿、池袋、渋谷、東京(丸の内)…といった大きなターミナル駅に集中していますが、この規模の書店はチェーン店として全国のあちこちに存在する、とても身近な書店です。

大型書店ほど棚数は多くありませんから、必然的に商品の「取捨選択」が厳しく行われます。その分店やスタッフの特徴が出やすく、お気に入りのお店を「発掘」する楽しみがあります。
チュウ型書店はタコなんかじゃありません。とても魅力的なお店です。

 

👍メリット

  • 大型書店がある町は限られるが、中型書店は全国のあちこちに展開している
    • チェーン店だけでなく個人店も多い。身近な書店。
  • 棚数が限られているため、商品の取捨選択が厳しい
    だがそのおかげで、商品の新陳代謝がよく、通うたびに新しい発見がある
    また、取捨選択の仕方に、お店の特徴が出やすい
  • 商品数が絞られているので、じっくり一冊ずつ棚を眺めて吟味できる

👎デメリット

  • マイナージャンルの本は探しにくい
  • 似た内容の本を比較検討しながら探したい場合、比較候補が少なくなる
  • 専門的な知識をもったスタッフは少ない(いないわけではないが必ずいるとは限らない)

 💡賢い使い方

  • 街の身近な本屋さんとして、近所のお店なら通りがかりや時間のある時、
    マメに通う習慣をつけると良い
  • 特にこれと言って目当ての本があるわけではない時、
    新たな本との出会いを求める書店として最適
  • 棚数が少ないからといって、中型書店は決して大型書店の劣化版ではない
    商品の取捨選択が厳しい分、書店の特徴、スタッフ(棚担当者)の特徴が出やすい。
    そのためお店によっては、ある特定分野に限れば、大型書店よりも品揃えが良い
    ことすらある。(例えば小さな棚でも立派な専門店~あるアルバイトのお話~

    • 入ったことのないお店を見つけたら、どんどん入ってみて、お気に入りのお店を
      探しておく習慣をつけよう
    • チェーン店にはチェーン店の特徴がある。
      チェーン店でも、店ごとに担当者の特徴がある。

      • いかにお気に入りのお店を見つけるか、お店の特徴をつかむか、については
        また後日。


Honesty bookstand, Marianne / AnneCN

106570454_bd10de8f83_zここでいう大型書店とは、例えば池袋の「ジュンク堂書店」、新宿東口の「紀伊国屋書店 新宿本店」や南口の「紀伊國屋書店 新宿南店」、新宿西口の「ブックファースト 新宿店」、代官山の「蔦谷書店」などのように、ビル一つが丸ごと書店であったり、3フロア以上に展開されているようなお店をイメージしています。

フロア面積が大きい分、棚数が多く、保有冊数も多いのが大きな特徴です。便利なのですが、これが却って、「これぞ!」という本が埋もれてしまってなかなか見つけられないという事態を引き起こします。書店選びにおいて「大が小を兼ねる」とは限らないのです。

👍メリット

  • 棚数が多く、必然的に保有冊数も多い
  • 在庫を多くストックできるので、売切れやすいベストセラー書も十分な在庫を持っている事が多い
  • マイナージャンルの本も見つけやすい
  • 店舗が大きい分、働くスタッフも多い。そのため、自分が探している本を得意とするスタッフを見つけやすい
    • 大抵の書店では、本のジャンルや棚エリアごとに担当が別れていて、各エリア・ジャンル毎に詳しいスタッフがいます。

👎デメリット

  • 棚数が多いので、漠然と棚を眺めながら本を探すには時間がかかるし、疲れる
    • 1時間でも2時間でもじっくり時間をかけて探すことが出来る時なら問題ありません。
      喫茶室を併設している書店も多いので、途中で休むこともできます。
      また最近は、座ってじっくり本を選ぶことが出来る書店も増えています。
  • 棚数に余裕がある分、ラインナップの新陳代謝が遅い。そのため、マイナージャンルになると、通っても通ってもあまり変わり映えしないように感じることがある
  • 広く浅くになりがち
  • 休日などお客さんが多い時は、レジが混む。ひたすら混む。
    • 日曜日夕方ごろのジュンク堂書店池袋本店の1階レジなんて、1Fがほとんどレジ待ちの人で埋まってしまう!

 💡賢い使い方

  • 目当ての本が絞り込まれている場合「この本」が欲しい)は、目当ての本がすぐ手に入る可能性が高いので、便利
  • 目当ての「ジャンル」「内容」がはっきりしていて、手元で比べながら探したい(たとえば、「線形代数学の参考書を探したい」)時には、比較できる本が多くて便利
  • 小さなお店ではすぐ売り切れそうなベストセラー書をいち早く購入したい時、在庫数の多い大型書店が有利
  • 専門書やニッチな内容の本を探す時には、ラインナップ豊富な大型書店が有利
  • 書店員に相談したい時は、専門スタッフの多い大型書店が便利
  • ふらっと眺めながら本を探したいときには、注意が必要。
    • 十分な時間(と体力)をかけられる時はご自由にどうぞ。
    • ある程度、眺める分野、エリアを絞っておく。
    • 選書棚を活用する
  • 大型書店のラインナップはどうしても「広く浅く」になりがちだが、それでも書店によって
    得意な分野やラインナップの傾向はあるので、趣味(または目的)にあった書店を選ぶのが良い


bernal heights park II / striatic

6752600849_e19d394973_z今や本に限らず、様々な物がネットショップで手に入る時代です。しかしネットショップは、すでに狙いを付けている本を購入するにはとても便利なものですが、未知の本に出会ったり、なんとなくぼんやりとしたイメージで本を探す(和食のレシピ本を探したいが、好みに合いそうな料理が掲載されている本がわからない、とか)には不向きです。書店に行けば、沢山の本を一度に眺めて、手にとって中身を確認しながら探すことができます。お買いものはネットで済ます派の人も、新たな本と出会うためには、書店を活用する技術を知ることが必要です。

さて、皆さんの生活圏内には、いったい何軒の書店があるでしょうか?地域差はあるでしょうが、電車やバスで多少足を延ばすことも厭わなければ、数軒はあるのではないでしょうか。そして、それらの身近にある複数の書店を、あなたはどうやって「使い分けて」いますか?

ちょっと古い情報ですが、さっと確認できた統計情報として、総務省統計局サイトで公開されている情報(日本の長期統計系列 第26章 文化・レジャー)を見てみると、日本において、新刊書籍は年間約77,031冊の新刊書籍が刊行されています(2004年実績値)。つまり平均すると、1日に200冊以上の新刊書籍(しかもこれは雑誌を除いた数字です)が全国の書店に並ぶことになります。人気の本がお客さんの手に渡っていく一方で、売れない本は容赦なく出版社に返本され、空いたスペースに次の本を詰めていく。無限に大きな書店など存在しませんから、書店に並ぶ本は毎日が淘汰、淘汰の連続です。

その中で、皆さんが次に出会うべき"運命の本"を的確に探し当てるためには、書店を正しく活用して、「"運命の本"と出会う確率を上げる」ことが大切です。

世の中に本屋さんはたくさんありますが、どれもみんな違うのです。「大きい本屋があれば、小さい本屋はいらない」「チェーン店の本屋ならどこも品ぞろえは似たようなもの」「駅前にある高々数畳しかないような本屋なんて、見る価値ない」などなど、これ皆間違った考えです。本屋の違いを正しく見極めて活用する方法を身につけましょう。具体的な内容はまた別の日に。



Queensland Book Depot, Brisbane, ca. 1940 / State Library of Queensland, Australia