ここでいう小型書店を明確に定義するのは難しいのですが、店舗面積が数畳程度、あるいは数棚しかないお店をイメージしています。具体的には駅ナカなどにある売店スタイルの書店、ローカル駅前のロータリーや商店街に紛れている、個人経営の小さな書店などを指します。また、純粋な書店とはちょっと違いますが、スーパーのレジ脇などにある書籍コーナーや、コンビニの雑誌・書籍棚を入れても良いでしょう。
基本的な特徴は、「中・中・タコかいな?~中型書店の特徴~」で書いた中型書店のそれと変わりません。ただ、中型書店よりさらに棚が少なく、扱える書籍数が極端に少ないため、並ぶ本のジャンルは限定され、店の特徴が極端に現れます。
コンビニであれば多くのお店で雑誌が最優先で揃えられます。マンガ(通常のコミックスだけでなく、いわゆるコンビニコミックと呼ばれる安価な本を含む)を置く店も多いですが、棚一つ確保されていたり、雑誌コーナーの片隅に数冊おいてあるだけだったり、配分は様々です。加えて文庫本やビジネス新書などを置く店もあります。中には相当書籍に力を入れるお店もあり、私の職場近くにあるコンビニは平置きの選書棚が常設されていて、最新のベストセラー書籍が揃えられています。
駅ナカの書店になると、やはり電車の中で読まれることを意識して、小さいお店であっても文庫本や新書の比率が高くなります。どういうわけか高確率で官能小説文庫が扱われていることが多く、店によっては異様に目立つほど品ぞろえが充実しています。フランス書院(官能小説の大手レーベル)は揃って表紙が黒いので、棚一つが真っ黒で、よくよく見ると妖しい文言がその上に踊っている…なんて光景もしばしば目にします。
棚数も面積も小さいので、ごくごく短い時間でチェックできます。自分の生活圏内あるいは出先で見つけたら、まずは一度入って眺めてみる。自分の趣味に合うラインナップかどうかを見極めて、趣味に合うお店ならば、定点チェック対象のお店にするのが良いです。
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