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制服至上 台湾女子高生制服選 日本語版

発売当時、ネットでかなり話題を呼びました。台北にある女子高の制服を丹念に調べて描いたイラスト作品集です。これだけの説明だと、なんだかいわゆる「オタク向け」とか「萌え系」の本ように聞こえてしまいますが、色使いもポージングもタッチも素晴らしく、むしろれっきとした美術書と言っても良いのでは。現存する学校だけでなく、日本統治時代の歴史的な制服も登場します。イラストだからと気を抜かず、服はすべて実際に学校に取材を申し入れて、スカートのプリーツ数まで数えて再現しているというから驚き。

日本語版はまだ第1巻しかでていませんが、台湾ではすでに第2巻が発売され、第3巻の準備が進んでいるとのこと。

…余談ですが、こういう本を扱っているイメージがなかったもので、この本がマイナビから出版されたというのはちょっと意外でした。

taipei

2014年に台湾へ旅行した際に、「誠品信義店(台湾の有名書店「誠品書店」が建てた総合デパート)」に立ち寄り、自分へのお土産として買ってきた本です。(残念ながら、Amazonで取り扱っていないので、リンクは台湾版Amazonとも呼ばれる博客來にしています)

台北の地下鉄は料金が安い上に、主要な街をすべてつないでおり、数分間隔で次の列車がやってくるので移動に大変便利です。(路線図)この本は、台北地下鉄(台北捷運公司)の駅にいる女の子にインタビューし、イラスト(マンガと言った方が良い?)で紹介している本。もしかすると、ちょっと下品な感じもしますが、イラストメインだから言葉がわからなくても楽しめるし、駅近隣のランドマークや土地柄を踏まえて描かれているので、記念に丁度好さそう、と思って買いました。

ちなみにこの時一緒に買ったのは、「キノの旅」の台湾版。「制服至上」の台湾版(というかこちらが本家)は手を出しかけましたが踏みとどまりました(笑

秋山庄太郎・自選集〈3〉男の年輪女優の肖像 (フォト・ミュゼ)

私は高校入学と同時に写真部に入り、写真の勉強を始めました。顧問の先生がとても良い人で、「写真雑誌の読者投稿や、プロの写真集を見て勉強しなさい」とよく言われたのですが、我が強く、技術とか理論の方に興味があったもので、先生の教えはあまり実践していませんでした。

プロの作品は不勉強な私ですが、数少ない私の知る写真家の中で、断トツに好きなのは秋山庄太郎先生の撮るポートレート写真です。ほとんどの作品は黒バックのスタジオで被写体に強烈な照明を当て、粒子の細かいモノクロ写真に仕立てています。皮膚の質感は触ればその人の温もりが感じられそうなほど生々しく、同時に顔だけが光の固まりとなって画面に浮かび上がることで強烈な印象を与えます。それでいて、被写体の人となりがしっかりと伝わってきます。

秋山庄太郎先生の作品はなかなかお目にかかることができないので、ぜひ作品集が欲しいと思い、Amazonで古本を探してやっと手に入れたのが、この2冊です。

遠山啓のコペルニクスからニュートンまで

このブログでは、自分の持っている本の紹介もしようと思っていたのですが、私の蔵書はあまりにも専門的だったり、逆にとても俗っぽかったりして、変わり種の本を選ぼうとすると案外難しいことに気付きました。今回紹介するのは、専門書でありながらデザインの美しい一冊。

高円寺で行われた、中小の出版社が集まって掘り出し物を並べるイベントにて、ひとめぼれして購入しました。実は私の買ったの本は、もう製本が崩壊しかかっていて、背張りがはがれてしまっています。(だからこそ格安で買えたのですが)

全く同じ内容でデザインの違うものもあり、そちらは壊れておらずしっかりしていました。ところがデザインが単なる教科書のような地味なデザインだったため、悩んだ結果、デザインを重視してこちらを選びました。

表紙は絵本のようですが、中身は本格的なのにわかりやすい。数学・物理歴史を丁寧に説明し、最後は相対性理論の解説までたどり着きます。図版も、貴重な史料が多数収められている他、温かみあるタッチで描かれた手書きの図解があったり、過去の偉人の肖像写真があったりと、絵を追うだけでも楽しい本です。

コンピュータの動くしくみ

◆書誌情報
出版社による書籍紹介ページ
http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/2746.html
2012年 絶版となりました。
◆解説
◇出版社解説文

新人エンジニアや情報工学を学ぶ学生など、コンピュータを学びたい人向けに、コンピュータのしくみをハードウェアの側面からわかりやすく解説した入 門書です。コンピュータを学ぶというと、どうしてもプログラミングを学ぶことと思いがちですが、ハードウェアを学ぶということは、ソフトウェアをより深い レベルで理解することにつながります。本書ではまず、0と1だけで計算する2進数のしくみを考えるところから出発し、その計算を電気回路、電子回路に行わ せるにはどうすればよいか、メモリーやCPU、I/Oについてもわかりやすい図解を交えて解説します。また、Flashアニメで回路の動作がみられます。

◇著者解説文

「コンピュータはどのようなしくみで動いているのか?」という疑問を解決するために必要な情報だけを厳選して詰め込みました。主な対象読者はコンピュータを学ぼうとしている高校生、大学生、新社会人の方々です。

例えプログラマといえども、コンピュータエンジニアとしてはハードウェアの知識も必要です。特に組み込みコンピュータの分野ではハードとソフトの両 方を理解している人材が求められています。しかし既存の本は、電気なら電気、論理なら論理、電子回路なら電子回路の分野を深く掘り下げる形で書かれている のが普通です。コンピュータは多くの分野が交錯した複合分野であるため、ハードウェアを既存の本で学ぼうとするといくつもの本を読んで理解しなくてはなり ません。そこで本書は思い切って分野の垣根を取り払い、コンピュータの理解に必要な知識だけを丁寧に解説することで、ハードウェアを学ぶ入門、足掛かりと して役立つ本を目指しました。

また、ただのイラストだけでは理解が難しい部分に関しては、本文に示されたQRコードを携帯電話で読み取ることで、Flashムービーによる解説を見ることができます。

2010年11月20日発行の 工学院大学 学園広報誌『窓 Vol.168』に紹介記事を掲載していただきました!
http://www.kogakuin.ac.jp/mado/mado168.pdf

◆正誤情報

以下の誤りが見つかっています。謹んでお詫びいたします。

  • 第1版1刷
    • p.III はじめに l.2「ハードウェアの側面からを理解する」→「ハードウェアの側面から理解する」
    • p.43 図2-13 d(デシ)は正しくは10^-1 であり,正しくは0の線とm(ミリ)の線の間に位置します.
      • d(デシ)は、10^1を表すda(デカ)の誤りであるとの指摘も頂きましたが、デシを表す事が著者の意図です。(daは通常使用する事がほとんどない接頭辞であるため)
    • p.80 図3-9 「NOT回路に0が入力」→「NOT回路に1が入力」
    • p.97 「Cont」→「Cout」
    • p.102 下から4行目 「ABCinA+CinB+AB」→「CinA+CinB+AB」
    • p.103 図3-49の上 「この回路を図3-49に付け加えると」→「この回路を図3-43に付け加えると」
    • p.120 図4-6 「11+10=100」→「11+10=101」
    • p.127 図4-17 -が半角になってしまい、バランスが悪くなっています。
    • p.161 下から4行目 「わかりにくい回路だTと・・・」→「わかりにくい回路だと」
    • p.172 「図6-5の③メモを見て足し算」→「図6-5の③メモを見て引き算」
    • p.192 下から6行目 「ALUを挟まっていることで」→「「ALUが挟まっていることで」
    • p.193 同一の脚注が重複してしまっています。
    • p.205 図6-35 最上段 出力 「0(数字)」→「O(アルファベット)」
    • p.205 下から2段目 出力 1→0
    • p.254 下から4行目 「図8-6」→「図8-3」
    • p.260 下から4行目 「スイッチを上に上げると」→「「スイッチを下に下げると」
    • p.233 最下行「ですからこの方法プロ…」→「ですからこの方法でプロ…」
    • p.238 図7-14 「ブラウザ情報」→「フラグ情報」
    • p.299 3章(1)解説内 「という問題の条件に~」→「という問題の条件に~」
    • p.300 9章(3)解答 「Aclnowledge」→「Acknowledge」
    • p.300 回路図 縦に4つ並んだAND回路のうち、一番下はBCDに接続するのが正しい

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ライトノベル・スタディーズ

◆書誌情報
出版社による書籍紹介ページ
http://www.seikyusha.co.jp/wp/books/isbn978-4-7872-9216-2
◆解説
◇出版社解説文

アニメ・漫画・映画・文学にも大きな影響を与え続けるライトノベル。ラノベの過去から現在までを押さえたうえで、ジャンルを越境するラノベの可能性やより深い作品読解を大胆に提示する。海外ラノベ事情を紹介するコラムや年表も所収するラノベ研究入門書。

◇著者解説文

前著『ライトノベル研究序説』から4年半。ブームは多少峠を越えた感じはあるものの、まだまだ出版界では大きな存在感を放っています。

研究序説と同様、幅広い分野の視点を取り込みながら、研究序説よりさらに踏み込んだ検証・論考をそろえました。

山口は、「春来たる死神は幾度もやってくる――桜庭一樹『GOSICK』の復活劇」「ライトノベル作品群の統計解析」を担当しました。

ライトノベル研究序説

◆書誌情報
出版社による書籍紹介ページ
http://www.seikyusha.co.jp/books/ISBN978-4-7872-9188-2.html

本書所収の拙稿「セカイ系と日常系」が、前島賢氏の「セカイ系とは何か―ポスト・エヴァのオタク史」に主要参考文献として紹介されました!

◆解説
◇出版社解説文

アニメ的なイラストがついているエンターテインメント小説であるライトノベルは、メディア・ミックスを繰り返しながら若者だけでなく多くの人々を魅 了している。もはや文化現象とさえいえるライトノベルの歴史、オタク文化・ゲーム・児童小説などとの関連性、解読するための多様な視点、具体的な作品読解 など、ライトノベルをより楽しく読む手法を余すところなく丁寧に伝授する。

◇著者解説文

ここ数年、ライトノベルと呼ばれる形式の小説が若者を中心に人気を集めています。それに伴い、大学の文学部などでは、ライトノベルをテーマとして研究を行いたいという学生が急速に増えています。

その一方で、ライトノベルに関して十分な知識を持った教員はまだ少なく、さらにはライトノベルそのものが、まだまだ一般にはアカデミックな研究対象として見なされていないという問題があります。

そこで、様々な専門を持つメンバーがライトノベル研究会として集まり、ライトノベル研究を行う際の手引となるべく執筆されたのがこの本です。様々な角度からライトノベルの実体を切り取り浮かび上がらせる形で、ライトノベルとは何なのかを考察します。

ライトノベルがたどった複雑な歴史を立体的に網羅した年表、豊富な参考文献紹介など、研究資料としての使いやすさにも配慮しています。

山口は、2つのコラム(「セカイ系と日常系」「情報工学」)を執筆しました。

◆正誤情報

以下の誤りが見つかっています。謹んでお詫びいたします。 (山口の担当箇所のみ示しています)

  • 第2刷
    • p.149 4行目 『イリヤ空、UFOの夏』→『イリヤの空、UFOの夏』
  • 第1刷
    • p.151 注(4) 正しくは次の通り
      • 葵せきな『生徒会の一存 壁要学園生徒会議事録1』(富士見ファンタジア文庫)、富士見書房、二〇〇八年
    • p.151 注(5) 正しくは次の通り
      • 葵せきな『生徒会の三振 壁要学園生徒会議事録3』(富士見ファンタジア文庫)、富士見書房、二〇〇八年