書斎の本棚から:音楽の科学 音楽の何に魅せられるのか?

音楽の科学---音楽の何に魅せられるのか?

我が家の近所に西友があり、その中にテナントとしてLIBROが入っています。規模としては典型的な中型書店で、面積はそれほど広くないのですが、ここは店舗規模の割に、妙に音楽の棚が充実しています。音楽の好きな店員さんがいるのか、武蔵野音大が沿線にあるからか、理由は定かではありませんが。

この本はそこで偶然見つけたものです。ハードカバーでページ数はなんと649ページ。一見すると国語辞典に見えそうな、ヴォリュームのある本です。(Amazonの書影だと厚みが伝わらないのが残念。)分厚くて、文字が多くて、手を出すのにちょっと勇気が必要でしたが、音楽情報学研究をかじった端くれとしては必見だろうと思い、思い切って購入しました。

主に聴覚心理や脳機能科学の観点から見た、音楽の最新研究成果が多数紹介されています。あくまでもサイエンスライターによる科学読み物として書かれているので、内容がきれいに整理されておらず、話のまとまりがあいまいだったり、わかりやすく書こうとして却って説明が不明確だったり(これは訳の問題もあるかもしれません)しますが、興味深い内容が多く含まれていました。楽典、特に和声について、少し踏み込んで学びたい人にも参考になる本かもしれません。

音楽認知について興味があるけれど、さすがに649ページ読むのはしんどい。もう少し気軽に学びたいという人には、オリヴァーサックスの『音楽嗜好症』がおすすめ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>