N.Y.Cityのまちかど

Taiwan_1st

はじめての台湾(そして初めての海外)旅行記

いっぱい移動したので覚えきれていない部分もあるんですが…

2014/07/25

出発~チェックイン

会社を定時であがり、一度自宅へ戻って、シャワーに入ったり、荷物を確認したりといった準備をする。18時過ぎには自宅に着いていたのに、なんだかんだで家を出たのは20時頃。 池袋から品川を経由して、羽田空港国際線ターミナルへ向かう。京急品川駅はすごい混雑で、電車を一本見送らないと乗ることすらできなかった。 羽田空港に着いたのは22時過ぎ。ここで同行する相方と合流。国際線ターミナルは、何度か入ったことのある羽田国内線ターミナルにくらべると、こぢんまりしている印象。

旅先で会う知人に渡す「真面目な」お土産を選んで購入。23時閉店だったので、ギリギリのタイミングだった。チャイナエアラインのチェックカウンターに行くと、無人チェックイン機が置いてあった。旅行会社から手配情報がもう入っていて、パスポートを差し込むだけで、乗車予定便が表示され、座席指定も自由にできた。これは本当に楽々。 荷物は全て機内持ち込みできるカバンに詰めているので、そのまま荷物チェックを受ける。カバンだけでなくジャケットも脱ぐように要求されたが、どうしてだろう。何かを上着のポケットに入れっぱなしでゲートが鳴る事例が多いのだろうか。

いよいよ出国

出国手続きを済ませ、出発ロビー内のラウンジへ。私はクレジットカードのおかげで無料利用できる。飲み物を飲みながら、しばし休息。羽田発の最終国際便が出る25時半を過ぎると、ラウンジの中は我々だけに。フットレスト付きの席が奥にあるとスタッフの人に教えてもらい、そちらに移って仮眠。書類上「どこの国にもいない人」として、一夜を過ごす。

2014/07/26

搭乗~台湾へ

窓から入ってくる朝日とともに、夜明けの起床。身支度を整えて搭乗ゲートに向かう。十分余裕を持ってゲートに行ったつもりだったが、スタッフにやや急かされるように案内されて機内へ。使用機材はエアバスのA330-300。エコノミーなので覚悟はしていたけど、やは足元は狭い。まぁ、どちらかと言うと、私の身長が規格外なので仕方ない。左翼やや後方の席だったため、フラップの動きがよく見える。 7時10分に離陸。やや雲が増えていて、上昇中は多少揺れたが、雲を抜けて水平飛行に入る頃には落ち着いていた。面白かったのは、座席についていたエンタテイメントシステム。離陸までの間は広告が表示され、タクシング中は非常設備の使い方を表示したりするのだが、途中で画面がブラックアウト。「エンタテイメントシステムにトラブルが生じたため、再起動します」とのアナウンス。再起動には15分ほど必要ですとのことだった。なぜそんなに時間がかかるのかと思ったら、エンタテイメントシステムの画面に、なんとLinuxの起動画面が表示された。ファイルチェックが働いているのか、カーネルロード後も延々同じ画面のまま止まっていた。かなり古いんだなぁ。

水平飛行に入ってすぐ、機内食の提供。離陸前、機内食の提供は8時過ぎ頃だろうなと考えていたら本当にその通りで、8時15分頃に私の手元に朝食が届いた。洋食か和食かを選べる(最初、fish or eggs?という聞き方をされたので、少しまごついた。イクラでも出てくるのかと思った…)ので、洋食とコーヒーを選択。スクランブルエッグ、ボイルドソーセージ、ミニトマトにパンケーキが温められている。パンケーキはプレーンかと思ったら、中にリンゴらしき果物がゴロゴロ入っていた。これに丸いパン一つ、サラダとイタリアンドレッシング、フルーツ(キウイと缶詰ミカン)、ヨーグルト。 食べ終わったら、ジャズを聴きながら仮眠。

台北松山空港へ向けて降下を開始。雲を抜けて地上が近づくが、松山空港の滑走路が短いせいか、市街地の真上を低高度を維持してアプローチする。横風が強いのか機長の腕の問題か、オートパイロット解除後の機体は結構フラついていた。ほぼ予定通りの時刻に、松山空港へ到着。羽田よりもなお狭い空港。

台湾入国~ホテルへ

入国した所で、外貨を両替。レートは1TWD=約3.6円。なので日本円への換算は、大体額面金額の3倍+αで概算できる。ツアーガイドと合流。航空券とホテルがセットになって後は基本的に全て自由行動(オプショナルツアーを除く)のツアーなので、空港までの行き帰りにのみガイドがつく。現地ガイドだが、日本語がとても上手。冗談も言えて話術もある。さすがと思った。空港からホテルまでは車ですぐ…の位置なのだが、そこはツアー旅行のしょうがないところで、まずはバスに護送(?)されて免税店に連れて行かれる。30分間店内をぶらぶらして、お土産の種類を確認したり、お酒の値段を見たりしてやり過ごす。再度バスに乗り、ホテルに着いたのが12時頃。チェックイン時刻は15時と聞いていたのだが、その場ですぐに鍵を渡される。念のため、もう入っていいのかと尋ねると、OKだと言うのでそのまま部屋に入って荷物を置く。泊まったホテルは、ホテル・リビエラ(欧華酒店)。部屋の指定はできなかったのだが、最上階角部屋という、中々良い部屋をアサインしてくれた。ホテル自体はそれほど広くないが、室内は十分な大きさで、内装もとても綺麗。

西門散策

荷物の整理をしてから、早々に外出。ホテルから徒歩5分強のところに、MRT圓山駅がある。日本のSuikaのようなICカード(EasyCard)を作ると割安料金で乗車できるということで、迷わず購入。自動販売機に100TWDのデポジットを入れると即発行される。この時点では、チャージされていないということは理解できたのだが、まごついたのはその後。隣の機械で、100TWDだけチャージしようと思ったのだが、さっきのデポジットで手持ちの100TWD札を使い切ってしまった。500TWD札を入れてみたが、チャージ金額を入れる画面にたどり着かない。英語表示画面に切り替えて再度説明を読んでいると、横から地元の方が声をかけてくれた。100TWDだけチャージしたいと伝えると、改札の駅員窓口まで連れて行ってくれて、その場でチャージすることができた。そもそもあのチャージ機からお釣りが出るという概念はなく、お金を入れたら入れただけチャージされるしくみだったらしい。気づかずに操作していたら、ごっそりカードに現金を持って行かれてしまうところだった。何しろ、電車の初乗り料金は20TWDで、カードを使うとさらに二割引して16元になる。つまり、わずか58円程度。500元も入れたって使い切れない。時刻表はないが、数分おきに電車はやってくるので全く不自由をかんじない。路線図の色は赤だし、地下鉄なのに圓山駅は高架駅だし、雰囲気は丸ノ内線のよう。電車の乗り方は日本とほぼ同じ。冷房がかなりきついことと、車内飲食厳禁なことに注意が必要。

龍山寺をめざすが、あえて一つ手前の西門駅で降りて、散歩しながらお昼ご飯の場所を探す。地図を広げながら方角を確認していると、通りがかった人が声をかけてくれた。「散歩する」というニュアンスを伝えられなかったので、龍山寺まで歩きたいと言うととっても驚かれて、20分は歩くから、電車に乗るかタクシーに乗るかした方が良いと教えてくれた。まぁ、本当に強い日差し、高い気温、高い湿度なので、20分歩くなんてのは地元の人には考えられない感覚なのかもしれない。道を教えてくれたことに丁寧にお礼を言いつつ、散歩を続行。

地元のアニメグッズショップを見つけて入って見たが、あまりにも日本と同じ光景で驚いた。店内の商品も日本作品の翻訳ばかりで、最新作もどんどん訳されているから、日本の本屋と品揃えが変わらない。アニメショップに限らず、日本のお店が大量に進出していて、時々自分がどこにいるのかよくわからなくなる錯覚におちいりそうになる。日本の地名はブランド力があるようで、西門には「西門新宿(新宿プラザ)」というファッションビルがあったり、他の地区でも「吉祥寺」という雑貨屋さんや、「八王子」という名の日本料理店があったりした。

お昼ご飯を食べる場所で散々悩んで、とりあえずなんでも頼めそうな西門の表通りから少し裏道に入ったところにある食堂に決めた。店内では地元の若者が料理をつつきながら談笑していたり、近所のおばちゃんがお茶を飲みながら談笑したりしている。メニューをもらうが、中国語(北京語)のメニューしかなくてわからない。お店の若いお兄ちゃんとおばちゃん、お客さんのおばちゃんと、お互い片言の中国語、英語、日本語でどうにか説明してもらう。麺(noodle)とパンケーキの中からオススメを一つずつ選んでもらって、卵のオプション付きで注文。飲み物にお茶を頼もうとおもったら、お茶は全部もうないよ、という驚きの返事だったので私はコカコーラを、相方はオレンジジュースを注文。オレンジジュースは、200ccくらいがプラスチックのカップに目一杯入り、上をビニールの蓋で密封している、台北でよく見るスタイル。上からストローを突き刺して飲む。コカコーラは、日本ではもうあまり見ない瓶入りコーラ。コップはなく、ビンに直接ストローを差して出てきた。ところがこのストロー、オレンジジュースに使うのと同じ長さなので、瓶に入れると炭酸の浮力でようやっと瓶の口から飛び出してくれる状態。半分も飲むと出てこなくなってしまったので、後半は少し躊躇しながらも、直接瓶に口をつけて飲んでしまった。肝心の料理は、パンケーキというより、具をクレープまたは包餅でくるんでトルティーヤのようにしたもに。かかっているタレのニンニクが効いていて美味。麺は、ラーメンのようなものを期待していたら、そうではなくてあんかけ焼きそばが出てきた。どうやら食堂というより、もう少しファストフード寄りのお店だったようだが、夕飯がたっぷりになりそうだった事を考えると、軽めに済んで、結果オーライ。これで確か120TWD=648円。普段の食事に関して言えば、物価水準は日本の半額ぐらいなのかな。

龍山寺

ご飯の後、結局電車に乗って隣の龍山寺へ向かう。駅の目の前にある龍山寺は、堂内七箇所に線香をお供えすると、あらゆるご利益の神様にまとめてご挨拶できる、いわば神様の総合デパート。本堂前には巨大なテーブルが並んでいて、さらなるご利益を願う人は線香だけでなく、この机の上にお菓子や果物をお供えする。線香と、相方はお菓子も一緒に堂内の売店で購入、お菓子をお供えしてから、本堂前から順にお参りしていく。着火した線香を頭より高く掲げ、何度もお辞儀するのが正しいやり方なんだとか。お供えされた線香は係のおじさんが整理しているのだけど、整理が追いつかないと、火のついた線香がみっしり突き刺さり、気をつけないと線香を刺す前に手を火傷する。お参りが終わった頃、ポツポツと雨が降る気配がしたので、お供えしたお菓子を回収し(これは持ち帰れる)、駅近くの市場へ避難。この辺は、一体どこからかき集めてきたのかよくわからない品物が道端に多数並べられて売られている。一昔前の秋葉原裏通りを思い出した。そんな中、奥に細長い店舗の縦半分がおしゃれなカフェ、反対側が古めかしい化粧品店という不思議な店を見つけて、雨宿り兼休憩。気温が高いせいか、歩くとすぐへばってしまう。僕は蜂蜜の入ったアイスティー、相方は無糖の(台湾は気をつけないと甘いお茶が出てくる)アイス烏龍茶を注文。

幸い、雨はすぐ止んだのだが、疲れていたのとお茶が多い(Lサイズを頼んだわけでもないのに、500ccくらい出てきた)ので、ゆっくり時間をとってから駅に戻る。駅前の広場で、おじさんが打ち込みカラオケに合わせてショルキーを演奏しつつ歌謡曲?演歌?を歌うという驚きのパフォーマンスを披露していた。アンプの電源はどうなっているのかと思ったら、YUASAの自動車用鉛蓄電池から、ブースターケーブル直結でアンプに供給していた。ワイルドというかたくましいというか…。やや寂れた雰囲気の駅地下街にも歌声がひびいていて、何かとおもったら、広めの店内の一角がカラオケの置かれたステージになっていて、フロアに並べられた多数の机でおじさんおばさんがお茶を飲んでいた。ようはカラオケスナックのようなものらしい。こんなお店が一つの地下街に三店舗ほど入っていた。後は、店内に幾つか置いてあるテレビ(しかもそれぞれ違う番組が放映されていた)を、たくさんのおじさんがお茶を片手に食い入るように見入っているお店。ドラマか映画を見ているようだった。どうやらこの駅一帯はおじさんたちの憩いの場として機能している様子。

旧友との再会

台湾初日の夜は、昔工学院大学に留学していて、当時よくお話ししたLin(林)さんとと五年ぶりに会う約束をしていたので、龍山寺からMRTで圓山駅を経て、18時頃にホテルへ帰着。ひたすら汗を吸った服を着替える。19時半ごろにホテルに着きますと連絡が来ていた。なんと、出張でベトナムのホーチミンに行ってきて、松山空港に帰国したその足でこちらに向かってくれるという。待っていると、19時20分過ぎにフロントから電話がかかってきて、取り次いでもらうと懐かしい声が聞こえた。急いでフロントへ向かう。

一緒にご飯を食べましょうという話は事前にしていたのだけど、どこに行くかは決めていなかった。小龍包で有名な「鼎泰豐(ディン・タイ・フン)」はどうでしょう?と提案で、鼎泰豐へ行くことに。ホテルの前でタクシーを拾って、お店を目指す。タクシーの中にはテレビがあって、お笑い番組(?)が流れていた。画面の下には中国語の字幕が入っていて、なんでだろう?と思ったら、音声は台湾語で、北京語の字幕が入っているらしい。タクシーから降りて(行き先の指示はすべてLinさんがしていたので場所が把握できなかったのだが、帰ってから調べてみたら、どうも忠孝店だったらしい。)店に行くと、予約の時間を過ぎてしまったので30分くらい待つとのことで、お店の近くを少し散歩する。暑いから飲み物を確保しておこうということで、近くのセブンイレブンに入るが、どうしてか話の流れで、そこでソフトクリームを頼むことに。人に勧めておきながら「でも日本の方がおいしいよね」とこぼすLinさん。飲み物は、梅風味緑茶なるものがあったのでそれを買ってみた。(甘いお茶なのはわかったうえで買ったのだが、飲んでみると緑茶はどこにいった、という感じで、ほとんどただの梅ジュース)鼎泰豐にもどると、丁度席の準備ができたとのことで、そのまま入店。名物の小龍包やエビチャーハン、ピリ辛の水餃子などを食べながら、話す。

ホテルの前で行き先を決めている時に、Linさんからベトナム土産のお菓子をもらっていたので、「実は私も、日本のお土産を持ってきたんですよ」と言って、差し出す。工学院大学のロゴが入ったバッグに、羽田空港で買ったお菓子と、あらかじめ日本で購入してラッピングしてもらっていた本を一冊。「研究室が一緒だった友達と一緒に探したよ」と言うと、警戒しながら包みをはがすLinさん。なぜならば、Linさんが台湾へ帰国するとき、研究室メンバー一同から餞別としてニンテンドーDSとラブプラスを渡された(押し付けられた?)過去があるから(笑)…で、今回送ったのがこれ。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4839952280/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4839952280&linkCode=as2&tag=nycity1022-22

丁度包みをはがした時に店員さんがテーブルに来たので「これ変な本じゃないからね!本当だからね!」と弁解してたのがおもしろかった。この店員さんは肌の色が少し黒くて、Linさんも留学生かな?と思ったらしいけれども、話してみると純粋な台湾人とのこと。中国語はもちろん、英語も日本語もとても流暢に話す。この人だけでなく、ほとんどどの店員さんも中英日の三か国語はほぼ完璧に使えるようだった。(おそらくこれ以外の言語を使える人もいるのだと思う)

鼎泰豐を満喫した後は、Linさん行きつけの居酒屋へ。台湾式のお店ではなく、本当に日本風の居酒屋で、ネギマがあったり、ホッケの塩焼きがあったりする。もちろん台湾風のつまみもある。アサヒビールと並んでオリオンビールが標準で置いてあるのも興味深かった。ゴーヤビールというのがあったので頼んでみると、後味にほんのりゴーヤの苦みが残るビールで、なかなか美味。夜遅くまで飲んで、お互いの仕事の状況を話したり、経済の話をしたり(!)してから、再びタクシーでホテルに戻ってきて、名残惜しいけどもそこでお別れ。翌日も夜ならば案内できるよと言ってくれたけれども、翌日の夜はツアーで九フンに行って遅くなってしまうので、断念。部屋に戻って、シャワーを浴びる。寝る前になって、明日の朝ごはん、何時だっけ?という疑問にぶち当たる。チェックインの時に説明してもらったはずなのだが、頭から抜け落ちてしまった。仕方ないので意を決してフロントに電話して「明天的早飯是几点?」と聞いたら「六点半(六時半)」という返事。これで安心して就寝。

2014/07/27

朝市(雙連市場)

起床後、身支度を整えてホテルのレストランでバイキング形式の朝食。洋食がメインだったが、ご飯やおかゆの用意もあり、バリエーションは豊富。少しずつ取って食べていたつもりが、結局少し食べ過ぎた。食後のコーヒーを飲みながら、ガイドブックを開いて行き先を考える。 朝食後、すぐに支度して外出。台湾に来たからには市場を見なければ!ということで、朝市を見にゆく。

電車で向かったのは雙連駅を降りて目の前にある雙連市場。果物、野菜、魚、洋服、生活雑貨まで、道の両脇になんでも並ぶ。その間をせっせと買い物する人、おしゃべりしながら日陰に腰を下ろして休む人、人混みの中をすり抜けるスクーターもあり、道路いったいが、ジャンク箱をぶちまけたような楽しさ。流石に、食材を売る店にはさまれながら殺虫剤を売るみせがあったのはいかがなものかとおもったが…しかも数店舗あったので、殺虫剤も立派な生活必需品として売られているのだろう。食材を売る店、特に果物屋はそこここにあって、商売敵同士、競合しないのかなとおもったけど、それ以上に人が集まるから皆商売が成立しているのかもしれない。

市場を抜けたら、別の道を回り込んで駅に戻る。途中、電力メーターがたくさん並んで取り付けられている建物があり、メーターの形が日本と違って面白いので写真を撮った。駅近くに戻ったところで豆乳屋さんを見つけたので、一杯購入。(冷たく冷やされ、ほんのり甘くした豆乳がプラスチックカップに入っている)駅前遊歩道脇の花壇に腰掛けて、豆乳を飲み干しながら休憩。

南門市場

雙連駅から電車に乗り、中正記念堂駅を降りる。出口の目の前に「南門市場」というきれいなビルがある。同じ市場と名がついているが、こちらはすべて建物の中に納まっているので、市場というイメージとはちょっと違う。1階は乾物・加工品類やお惣菜のお店が並んでいる。お惣菜エリアは圧巻で、煮物から漬物から、いろいろな料理がバットの上に山盛りに積まれたり、ビニール袋に小分けにされて(小分けといっても片手では納まらないくらいたっぷり入っている)売られている。イメージとしては、デパ地下の食品コーナーをもう少し庶民的にした感じか。2Fに上がると、洋服や服飾小物を扱うお店がたくさん入っている。1階と違って、こちらはそれぞれのお店が壁で仕切られ、各店の入り口脇はがら明日張りのショーケースになっているので、ブティックが立ち並ぶデパートのよう。ただ時間が早かったせいか、ほとんどのお店は閉まったままで、廊下の明かりもほとんどついていなかった。暗くてもフロアには入れるので、一応ぐるりと一周してみた。暗い中、廊下のソファで涼んでいるお客さんがいたのでちょっとびっくりした。地下一階に下りると、生鮮食品を扱うフロアなのだが、階段を降りた目の前が精肉エリアで、ちょっとビビる。なにしろ、店でさばかれた生肉やらホルモンがドカドカ積まれたお店が並んでいて、ちょっと血なまぐさいので。肉だけではなく、奥に入ると魚介を扱うお店(あさりが勢いよく水を吐き出していた)も、野菜や果物を扱うお店もある。相方は果物屋さんで不思議な果物を買った。

中正記念堂

南門市場を出て、中正記念堂へ向かって歩く。その途中、アーケードを盛大にぶち抜く街路樹を見つけて驚く。樹に合わせて建物を作ったのかと思ったが、それにしては天井の穴が幹の太さにぴったり過ぎる気もする。まさか後から樹が建物をぶち抜いたわけではないと思うのだが…

中正記念公園の外壁沿いに歩く。巨大で華麗な国家戯劇院を眺めながら回り込むと、白い壁に青い屋根が美しい門の中は、広大な広場(自由広場)になっている。ただ、日光を遮るものが何もないため、こりゃバテそうだということで、そのまま外側を回って、広場の一角にある森のようなスペースへ。森の中の椅子に腰かけて先ほど買った果物を食べることに。そのままワイルドに…はちょっと怖いので、手持ちのミネラルウォーターで軽く洗って食べる。1つ目は佛頭果(ふっとうか…釈迦頭(しゃかとう)等の別名もある。日本ではバンレイシ)文字通り、大仏様の頭のような形。表面のボツボツごとに実を剥がせるのだが、熟れているとやわらかくて崩れてしまうので、慎重に割りながら食べる。固い表皮だけよけて中の身を口に入れると、とてもやわらかいバナナのような、ねっとりした甘さ。ただしシャリシャリした粒が混ざって独特の食感(そのためか、英語ではSugar Appleというらしい)。またスイカの種ほどの、とても固い種があるので、口の中でモゴモゴよけてゴミ袋に吐き出しながら食べた。結構おなかにたまる。もう一つはピーマンのような形をした蓮霧(れんぶ)。佛頭果とは対照的にこちらはシャリシャリとした梨のような食感。すこし酸味があって、甘くなっていた口がさっぱりしたけれど、少し渋さも感じた。やや若かったのだろうか。最後に食べたのが、これは日本ではジュースでおなじみのグァバ。種類によって味も様々らしいけれど、この時食べたのはやや酸味があった。(もっとも、うっかり一番甘い佛頭果を先に食べてしまったからそう思うだけかもしれない)小さな種がたくさん入っていて、これはもういちいち口から出すのも難しいので、そのまま種ごと飲み込んでしまう。(後で調べたら、この種は飲みすぎるとお腹を下すらしい。この時は大丈夫だったけれど…) 果物を食べ終えると、疲れた体も元気になってくる。果物が安い台湾では、熱中症対策は水分に頼るより、適宜果物をかじった方がお腹がタプタプにならなくて済みそう。

森を抜けて、反対側の外壁は、石造りの回廊になっている。回廊脇は椅子になっていて、強い日差しを避けられるので、ここでくつろぐ人がたくさんいた。本を読む人がいたり、何人も集まって楽器を演奏していたり、思い思いの時間を過ごしている。回廊横の緑地には、タイワンリスが何匹もいた。人に慣れているのか、近づいて行ってもほとんど警戒しない(とはいえ噛まれたりすると危ないので必要以上には近づかないように)。

これまた立派な国家音楽庁の脇を抜けると、いよいよ中正記念堂。中は博物館として台湾の歴史を示す資料が数多く展示されている。が、なにはともあれエレベータに乗って上のフロアーを目指す。エレベータを降りると、スタッフと思しき人が、ジェスチャーで脇によけるように言ってきた。運よく、衛兵交代の真っ最中だったようで、任務を終えた衛兵がゆっくりと、自分たちの目前を進んで、エレベータに乗り込んでいった。エレベータの閉じるのを見送ってから中に入ると、蒋介石の巨大な像が広場を見下ろすように鎮座している。蒋介石像の前は巨大な広間で、そこに2名の衛兵がお立ち台の上に立っている。カツーン!と大きな音を響かせて銃剣を床に立てると、そこから身動き一つしなくなった。これから次の交代時刻まで一切身動きせず、瞬きすら控えて警備にあたるという。蒋介石が見下ろす方向へ目を向けると、大きなバルコニー越しに自由広場を一望でき、台北の街並みが広場の向こうに見える。

階下に降りて展示を眺めたり、中のお土産屋さんを物色してから、街を少し散歩して東山駅付近へ。疲れたしお腹もすいたので、少し遅めのお昼ご飯を食べる。うどん(のようなもの)と小皿料理を頼む。小皿料理は、カウンターにいろいろな種類が並んでいて、好きなものを1つ選んで持ってくる。キュウリの和え物(浅漬けみたいだった)を持ってきた。うどんは思ったより量が多くて食べきるのに難儀する。食べ終わってから近くの永康公園で休みつつ作戦会議、近隣のお店を回ってお土産を探す。京都に住む祖母の誕生日が近かったので、お土産と誕生日プレゼントを兼ねて、着物にも合いそうな浅黄色のポーチを購入。

電車にのり、圓山駅に戻る。駅近くのおしゃれなカフェに入って休憩した後、ホテルに戻ってシャワーを浴びる。

九フン

16時にホテルロビーへ迎えが来るということで、シャワーを浴びて荷物の支度していたら、5分以上も早い時間に内線がかかってきたので、慌ててロビーに降りる。後でわかったことだが、バスを路上駐車させながら各ホテルの参加者を拾って集めていた。そりゃあ時間も前後するし、待っている余裕もない。ホテル・リビエラからは我々だけ。その後2~3件ホテルを回ってお客さんを拾う。全部で20人ぐらいだったか。そこから高速道路に乗って九フン(フンは人偏に分)へ向かう。ガイドさんは語尾を伸ばす独特なイントネーションの日本語を話す。ところどころ冗談が混じるのはさすが。九フンまでは50分ほど。途中、高速道路の左側の山沿いに、ドールハウスのような、小さな家が立ち並ぶところが見える。これは台湾のお墓ということで、見るのはいいけど、カメラを向けない方がいいよ、とのこと。

九フンは元々鉱山採掘のために作られた山上の町で、家が9軒しかなかったのだという。麓に降りて買い出しをする時は、全家庭で必要なものをひとまとめに買ってきてから、9軒の家で品物を分けたところから、九フン(=九つに分ける)と呼ばれたそうだ。町は日本統治時代に、日本人の指揮監督で作られたので、九フンの街並みは実は古き日本人のセンスに合わせて作られたのだという。

九フン市街の麓にある大きな駐車場にバスが止まり、そこからぞろぞろと細い道を歩く。急斜面に階段と坂を切り開いて作られた町はとても狭いエリアに建物が密集して作られている。狭い階段の両脇にお店が立ち並び、大量の観光客が階段を登ったり降りたりするので、ものすごい人口密度。百数十段の階段を上って一度脇道にそれると素晴らしい眺めの高台に出る。その先にあるお店でごはん。一つの円卓に数グループが座り、大皿に乗った料理をシェアしながら頂く。味は日本人向けにしてあるのか、北京市内のお店よりやや薄味にしてあったように思う。お昼のうどんが胃に効いていて、それほど多くは食べられなかったが、一通り堪能する。その後は時間まで自由解散とのことで、早々にお店を出て九フンの街を歩く。まだ空は明るい時間だったので、階段のてっぺんまで一度登り切ろうと歩く。その途中にあるのが、千と千尋と神隠しに登場する「油屋」のモデルとなった阿妹茶酒館。

てっぺんまで登り切ってから、写真をとりつつ、露店街を冷やかして歩く。途中、男性の陰部を模したカステラのようなものが売られていて、「でかちん焼き」と堂々と書かれていて驚く。この後行く夜市でも売っているお店があった。これ、誰か買うのかしらと思って後から調べてみたらカステラじゃなくてアメリカンドッグ(中にソーセージが入っている)で、それなりに人気…らしい。本当か?

陽が落ちる頃を目指して階段を降り、薄暗くなった九フンを楽しみ、阿妹茶酒館に入ってお茶を頂く。高台にせり出すように作られたオープンテラスになっている3階に案内されると、少し雲があるが夕日のグラデーションが見事に広がる。足元では釜に入ったお湯が炭火で保温され、卓上はかわいらしい中国茶器のセットとお茶請けのお菓子が並ぶ。最初の一杯だけ淹れ方を教えてもらい、後は自分で入れる。湯呑はほんの一口か二口で飲みきるほどの小さいサイズだから、何度も何度も淹れたてのお茶を楽しめる。お茶請けは落雁のようなお干菓子と団子、蜜漬けの梅干し。素朴な味が楽しめる。

のんびりしたかったけども、バスの時間が迫っているのでほどほどの時間で店を出る。荷物をまとめている時、相方がうっかり2階の屋根にiPhoneを落としてしまうというハプニングがあったけれども、店の構造上、2階からすぐ取りに行けるようになっていたのですぐ回収される。幸い、画面にも傷一つついていなかった。集合場所は到着時に食事をしたお店の前。そこに着くころには、もうほぼ陽が落ちきっていたので、店の手前にある高台には夜景が広がる。バスに乗り込んだあと、ガイドさんの案内で窓を見ると、斜面を埋める九フンの街灯りが名残惜しむかのようにちらっと見えた。

夜市へ

バスは台北市街へひた走り、台北で二番目に大きい夜市、「饒河夜市」へ向かう。ツアーは自由行動のあと、バスに乗ってホテルへ戻る予定なのだが、希望者はここで解散もできるということで、解散することにした。お手洗いは夜市手前のコンビニか、お寺のを使って下さいというガイドさんの案内に従って、いいのかなと思いつつ「松山慈祐宮」のお手洗いを借りる。夜もだいぶ遅い時間だが、中ではお真理していている市民がたくさん。神様に失礼のないように一礼だけはしておく。

どうせ行くならば、一番大きい夜市に行こうということで、すぐにタクシーをつかまえて「士林夜市(士林市場)」へ移動。高速を使って20分ほど。(こんな贅沢な移動はタクシー代の安いからできるのだ…)気の向くままにお店を眺めながら歩く。途中疲れたときは果物屋さんでカットマンゴーを買った。大きさをそろえるなんて考えてもいないんだろうなという豪快さで切ったマンゴーがそのままビニール袋に詰められて渡される。近くのベンチに座って、口の周りをべたべたにしながら食べる。甘酸っぱいけど瑞々しいので喉も潤う感じがする。お土産のパイナップルケーキを買い込んだり、自分の服を買ったりして夜遅くまで過ごす。くたくたになるまで楽しんでから、タクシーに乗ってホテルに帰った。

2014/07/28

起床後、身支度を整えてホテルのレストランでバイキング形式の朝食。気を付けていても、バイキングだとついつい食べ過ぎてしまう。この日は台北101を中心にブラブラしようと決めていたので、台北101以外の目的地を、ガイドブックを見ながら考える。

チェックアウト日なので、朝食後に荷物を一通りまとめて部屋を出る。チェックアウト手続きをした後、コンシェルジュデスクで荷物を預かってもらって外出。この日は平日のためか、道の込み具合が昨日と違う。車よりも圧倒的にバイクが多く、信号待ちの交差点はまるでバイクレースのスタート地点。

台北101~誠品信義店

もういい加減慣れた道を歩いて、MRT圓山駅から電車にのり、台北101駅へ向かう。駅を降りて目の前が台北101。現在、世界で2番目に高い高層建築物。観光ルートとしては展望台に登るのが筋なのだろうが、お値段が結構高いので、登らずに下のショッピングモールをぶらぶら。

台北101を出た後は、僕の希望で新光三越の脇を抜けた先にある「誠品信義店」へ行く。元々は書店なのだが、今や生活雑貨・文具も含めて幅広い商品を扱い、台北の文化発信基地として人気が高いという。店内はとてもおしゃれで広く、書店というよりももうデパートと言った方が良い。雑貨文具がある上のフロアから順に下り、ウィンドショッピングを楽しむ。もちろん、書店としても素晴らしい品ぞろえで、台湾の本のみならず洋書(台湾で「洋書」という言い方が適切なのかどうかわからないけども…)も豊富にそろっている。サブカルチャーのエリアをくまなく眺めると、やはりマンガもライトノベルも日本からたくさん輸出されている。Linさんに贈った『制服至上』の原書もみつけた。旅の記念に、日本のライトノベル『キノの旅』の台湾語版を1冊と、『台北捷運女孩觀察日誌』という本を買った。(下記リンクは台湾の通販サイト「博客来」)

http://www.books.com.tw/products/0010637274

『台北捷運女孩觀察日誌』は、MRT(台北捷運)の各駅にいた(本当かどうかはともかく)女性をイラスト付きで紹介した本。イラストがメインで文字は少なく、各路線や駅の周辺情報も載っているので、自分用のお土産にぴったり。

台北駅

誠品信義店を出たら、台北駅へ向かう。お土産にお茶を買いたかったのだが、なかなか良いものが見つからず、お茶屋さんを探してあっちこっち歩く。『天仁茗茶』なら有名だし、必ずこの辺にあるだろうと探していたのだが、見つからない、見つからない…と歩き回ってようやく発見。無事にお茶を購入。また、駅前の新光三越でも少しお買いもの。

台北駅の地下街で、薄っぺらい化繊製の大きなショッピングバッグを購入して、お土産の類はこれに詰めることにした。日本から持ってきたキャリーバッグは機内持ち込みできる小さなものなので、とてもじゃないけどお土産は入りきらない。そこで帰りはキャリーバッグを預け入れ荷物にしてしまい、つぶれて困るお土産はショッピングバッグに入れて機内持ち込みしてしまおうという計画だ。

帰国に向けて、少し体力を温存しかつ時間に余裕を持っておくため、ホテルへはタクシーで帰ることにした。EasyCardの解約手続きをするため台北駅の駅事務室へ行く。残額が少なければ記念に持って帰りたかったが、そこそこ残額があったため、断念。窓口には何人か並んでいたので、並んでいる間にどうやって言えば伝わるかな?と考えた末、"Would you stop these card, Please?"と言ってカードを差し出したらちゃんと通じてくれた。

いよいよ帰路へ

タクシーでホテルに戻り、預けていた荷物を受け取る。荷物の整理をしようとしたら、ラウンジを使っていいですよと言われ、ありがたくラウンジの一角を借りて荷物をまとめ直し、迎えが来るのを待つ。夕方、ほどなくして旅行会社のバスが到着、2泊お世話になったホテルに別れを告げる。バスは一旦、台北到着時に来たのと同じ免税店に立ち寄る。お土産をさんざん買ったはずなのだが、よく数えるとまだ足りない気がして、免税店で少し買い足す。

免税店からバスに乗り込み、空港へはすぐ到着する。ガイドさんが搭乗手続きカウンターへ乗客を全員誘導して、ぞろぞろと手続きを済ませる。往路では関係なかった預け入れ手続きがあるので少し緊張したが、お願いしますと言ってキャリーバッグを渡すだけだった。念のため、目印にハンドグリップにタオルを結んでおいた。最後にもう一度集まるのかと思いきや、手続きが終わる頃にはガイドさんももういなくなっていて流れ解散状態。ちょっとあっけない気もしたが、まぁガイドさんもたくさんのグループをどんどん案内しなければならず、忙しいのだろう。

搭乗時刻まではまだ時間があるので、出発ロビー内の喫茶ラウンジで軽食を食べながら待った後、搭乗。機体は往路と同じ。往路で動きの怪しかったエンタテイメントシステムは、今度は快調に動いている。あっという間の三日間を過ごした台北に別れを告げて、空の人となる。

水平飛行に入るとすぐ機内食。鶏肉ごはんを頼んだら、結構辛い味付けだった。往路では仮眠をとっていたので音楽を聴いているだけだったが、今度はエンタテイメントシステムで動画番組や映画を見て過ごす。気が付くと窓の下に東京湾、そして街の灯り。街の灯りがだんだん近づいてきて、羽田空港へと到着した。

飛行機を降りて、ベルトコンベアの前で待ち構えて預け入れ荷物を無事に回収。入国手続きを終えて、あまった札を銀行で日本円に戻す。小銭は扱えないので、記念に持って帰る。やっと台湾式の、右側整列でエスカレータに乗る習慣に慣れてきたところだったので、羽田に着いてからエスカレータに乗るたびにどっちに行けばいいのか混乱してしまった。往路とは気分を変えて、東京モノレールを経由して帰宅。


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