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人件費について

学生にプロジェクトマネジメントの話をしていて、企業の立場から見た「人件費」というものがどういうものかイメージがわかないようでした。

それなりのエンジニアを丸々1か月借りる(派遣してもらう)とざっくり月100万近くはかかるよ、といったら大変驚いていたので、その根拠を軽く計算して説明してみました。

人件費≒3×給料

学生であっても、アルバイトをしている学生は多いので、自分が貰う給料や時給はイメージしやすいようです。つまり労働者の立場から見て企業から直接受け取る金銭にあたるわけです。

エンジニアを月給30万と仮定します。これは手取りにすると24万強なので、30歳前後の若手~中堅クラスのイメージです。参考として時給換算しておくと、1日の稼働時間8時間、月の稼働日数20日として、1875円になります。

しかし企業が払っている人件費はこれだけではありません。各種保険料の企業負担分や勤務環境を整えるためなどの費用で、おおよそ企業が支払う人件費は給料の3倍と言われています。つまり、企業側から見た「人件費」は月90万円になります。要するに「月給30万円のエンジニアを一人派遣するためには、派遣先から90万もらってやっとトントン」ということになります。

企業(派遣元)としてはこの上にさらに利潤を乗せる必要があります。またそのエンジニアを派遣することによって他の仕事が進まなくなってしまう場合にはその分の損失補償もする必要がありますので、さらに利益率をいくらか上乗せする必要があります。仮に利益率を20%と仮定すれば、1か月で108万円(1時間あたり6750円)を請求することになります。

実際には、特殊スキルを持ったエンジニアやベテランを派遣する場合はもっと単価が上がります。受託業務や在宅勤務などで、契約期間が1か月でも実稼働時間がそれより少ない場合は実稼働時間ベースで計算することで月の請求額が100万を切る場合もあります。

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現在ご覧のページの最終更新日時は2023/12/05 10:43:27です。

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