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introduction of trigonometric function

三角関数入門

この文章は、友人にされた質問への回答をメモとして記録したものです。

三角関数の最も簡単な定義

三角比

図のような直角三角形が与えられた時、θの値が定まれば、3辺のうち2つを選んだ時、それらの比は必ず1つに定まる。θによって定まる辺の比を三角比という。

θの値はDigree[°]で表す場合と、ラジアン[rad]で表す場合があるが、本文書では特に注釈のない限りDigreeで表す。

triangle1.gif

三角関数

三角比を、θを入力する関数として表したとき、これを「三角関数」という。 特によく用いられる基本的な三角関数は以下の3つである。

triangle2.png

図で示すと次のようになる

triangle3.gif

よく知られた三角関数の値

直角三角形のうち、3辺の比がよく知られる θ=30,45,60 に関しては、三角関数の値をすぐに求められる。

triangle4.png

三角比の拡張

最初に示した定義では、θの値は (0° < θ < 90°)に限られる。なぜならば、この範囲を超えるともはや三角形を描けなくなるからである。

そこで、三角比の定義を拡張し、90°≦θ や θ≧0 の範囲でも三角関数の値が求められるようにする。

三角関数の新たな定義

triangle5.png

原点を中心とし、半径が斜辺の長さ a に相当する円Oを描く。 原点とX軸の成す角をθとして直線を引き、円との交点をAとする。 AからX軸へ向かって垂線を下ろし、X軸との交点を点Bとする。

このとき、点Aの座標を(c,b)、点Bの座標を(c,0)とする。

この時の三角関数の値は以下の式で求められる。

triangle2.png

数式の形そのものは、最初の定義とおなじであるが、a,b,cは三角形の辺の長さではなく、aは円の半径、c,bは点Aのx座標、y座標として与えられている点が異なる。

例:θ=90°の場合
triangle6.png

原点中心、半径aの円を描き、x軸との角度90度の位置に線を引く。 円との交点から垂線をおろすと、この線はそのままy軸上を通るため、 垂線の長さbは円の半径aに等しくなり、cの値は0になる。従って点Aの座標は(0,a)となる。

故に、三角関数の値は以下のようになる。

triangle7.png
例:θ=0°の場合
triangle8.png

原点中心、半径aの円を描き、x軸との角度0度に線を引く。 これはx軸と一致するため、円との交点からx軸へ垂線は下ろせない。 故にb=0。また、cの値はaと一致するため、点Aの座標は(a,0)となる。

故に三角関数の値は以下のようになる。

triangle9.png
例:θ=120°の場合
triangle10.png

原点中心、半径aの円を描き、x軸との角度120度の位置に線を引く。 円との交点から垂線をおろしてその交点をBとする。 θ=120°であるから、θ'=180-θ=60°と求められ、 これにより、三角形OABの各辺の比率はすぐにわかり、 仮にa=2とすれば、bの値は√3がわかる。

cの値を求めるときに注意しなくてはならないのは、点Aは原点の左側にあるから、 点Aのx座標はマイナスである。すなわち b=-1。 故に、三角関数の値は次のようになる。

triangle11.png

現在ご覧のページの最終更新日時は2015/03/15 01:10:07です。

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