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What's society, research paper?

学会って?論文って?どうやって手に入れる?

学会とは?

学会とは、専門を同じくする研究者が集まる団体で、互いに研究した成果を発表していくための重要な場です。研究に携わる人の多くは、自分の専門分野に関連する学会に所属します。

学会に入ると、次のようなメリットが得られます。

  • 論文を提出できる。
    • 提出された論文は所定の手続きを経て正式な研究成果として公表されます。
  • 研究会・大会などに参加できる。(聴講及び発表)
    • 研究会・大会などで発表する場合は発表予稿という短めの論文の提出を求められ、これも正式な学術発表として評価されます。
  • 学会誌が届く
    • 専門的情報が掲載された学会誌という雑誌が定期的に届きます。(多くの学会は月刊)
    • 査読付き論文がまとめられた論文誌、研究会発表の内容がまとめられたものが別にある場合もあります。(購読に別料金を求められる場合あり)
  • 学会が主催・共催するイベントに参加できます。
  • 学会関連の書籍が割引価格で購入できることがあります。

学会に入るためには、事務局へ入会申請を提出します。入会金と年会費が必要ですが、多くの学会が学生会員制度を設けており、学生の場合はかなり安く入会できます。 自分ひとりで入会できる学会もあれば、入会に際して会員の推薦が必要な所もあります。

学会の例

情報処理学会
http://www.ipsj.or.jp/
電子情報通信学会
http://www.ieice.org/jpn/index.html
日本音響学会
http://www.asj.gr.jp/
日本感性工学会
http://www.jske.org/
IEEE
http://www.ieee.org/index.html
(世界で最も大きい、電気電子情報に関わる学会)

論文とは

研究者の研究成果は、一般に論文という形で世間に公表され、初めて正式な研究成果として認められます。

論文は、研究の前提、内容、結果などを明確に・論理的に示した文章であり、自身の研究成果に関する最新の情報が盛り込まれます。(解説論文などの例外を除く) 論文の構成や内容については構造的プレゼンテーションの読み方・書き方を参照して下さい。

査読

論文にもいくつか種類がありますが、中でも一番重要な区別は「査読の有無」です。 最も権威ある研究成果は、「査読付き論文(full paper)」となります。

査読は、提出された論文の内容を専門的な視点から精査し、「内容、議論、ロジックに誤りはないか」「論文として公表する価値がるか」などを専門家(通常3人程度)が確認します。通常査読者は匿名で、事務局など必要最小限の人以外、誰が誰の論文を査読しているかわからないようになっています。

結果は主に次の3種類に分かれます。

  • 「採択」
    • 論文はそのまま正式に公開されます。
  • 「条件付き採択」
    • 査読者の指摘した修正点を所定の期間内に修正して再審査を受けることで正式公開されます。
  • 「不可」
    • 査読論文としては内容が不十分であるとして掲載されません。異議申し立て出来る場合もあります。

その他の論文区分

論文の長さによる分類は、長いものから順に論文(Full paper:フルペーパー)、ショートペーパー、レター(特に急を要する研究成果を短い論文で公開するもの)などがあります。

論文の形態による違いとしては、通常の論文の他に予稿(大会、研究会などで研究発表を行う際に提出を求められる、概要を示した短い論文)やポスター(ポスターセッションと呼ばれる、大型の紙一枚に研究成果をまとめたもの)*1があります。

論文の内容による違いとしては、通常の研究発表の他に、解説論文(既存の技術に関する詳細な、あるいはわかりやすい解説を与えるもの)、報告(イベントなどの報告)などがあります。

論文を手に入れるには?

論文がある場所

  • 基本的には学会が発行する学会誌・論文誌・研究報告などに掲載されます。
  • 修士論文・博士論文に関しては、審査を行った大学の図書館に保管されます。
  • 博士論文は国立国会図書館にも収蔵されます。
  • 卒業論文の扱いはまちまちです。工学院大学の場合、図書館には要旨のみが永久保管され、本文は各研究室が独自に管理しています。(従って、本文が手に入る保証はありません)

論文を探すには

  • 図書館などを巡って、論文がある所をひたすら足と手で探す
  • 関係ありそうな学会の学会誌を片っ端から読みまくる
    • 情報学会などは加入していれば、Webから過去の記事を検索・閲覧できます。

という方法もありますが、現在はやはりインターネットで検索することが第一歩となります。 論文の検索は、GoogleやYahoo!で行ってもあまり効率よく見つかりません。専用の検索サイトを利用するのが良いでしょう。

また、一つ有用な論文を見つけたら、論文に記載された参考文献を手掛かりに、芋づる式に次の資料を探しましょう。基本中の基本です!

論文検索サイト

CiNii
http://ci.nii.ac.jp/
論文検索ならまずここをあたりましょう。
JDreamII
http://ninsho.jst.go.jp/loginIP.html
利用にはログインが必要です(工学院大学生は学内から無料で接続可)
Google Scholar
http://scholar.google.co.jp/
Googleが提供する論文検索
Webcat
http://webcat.nii.ac.jp/
全国大学が保有する図書・雑誌の横断検索

*1ポスターはあまり論文とは言呼びませんが、研究発表の形態ということで紹介しています


現在ご覧のページの最終更新日時は2015/03/15 01:04:27です。

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