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Tianjin_explosion

天津爆発事故の動画を見て思う、原爆の恐ろしさ

天津の爆発事故

2015年08月12日の深夜、中国北部・天津(Tianjin)の工業地帯で大規模な火災・爆発事故が発生した。

その爆発を撮影した動画「tianjin explosion broken window!! 」を見た。深夜であるにも関わらず、周囲が昼間のように明るくなったかと思うと、遅れて猛烈な衝撃波が到達している。動画を見るとはっきりわからないが、動画のタイトルから判断する限り、窓ガラスが壊れる被害にあっているようだ。

Tianjin1.jpg Tianjin2.jpg
tianjin explosion broken window!! 」00:12よりキャプチャ
1回目の爆発
tianjin explosion broken window!! 」00:43よりキャプチャ
2回目の爆発

二度目の大きな爆発が見えてから、音(衝撃波)が到達するまで、約3.5秒。音速を340.29m/sと仮定すると、この撮影者は現場から約1.2km離れた場所にいたことになる。

報道(中国・天津の大爆発、死者44人に 威力「TNT24トン分」)では、

中国地震ネットワークセンター(China Earthquake Networks Centre)は微博の公式アカウントに、1回目の爆発の威力はTNT火薬3トン相当、2回目の爆発は同21トン相当だったと投稿している。

と伝えている。速報であろうし、何より中国の発表なのでどこまで真実なのか若干怪しいが、少なくとも(中国自身が)爆発規模を実際より過大に報じることはないと思うので、TNT火薬21トン相当の爆発は実際に起こったと思ってよかろう。(タイトルで24トンとかかれているのは、1回目の爆発と2回目の爆発を合わせて3+21=24トンという解釈?)

現場付近には大量のシアン化合物が発生しているという話もあり、なんとも恐ろしい事故だ。

天津爆発事故の動画から、広島・長崎原爆の恐ろしさを考える

時節柄、どうしてもこの時期に爆発事故を見ると、広島・長崎に落とされた原子爆弾を連想せずにいられない。Wikipedia情報であるが、改めて両都市に落とされた原子爆弾の規模を調べてみたところ、広島に落とされたリトルボーイは核出力がTNT火薬15キロトンとされ、高度約600mで爆発している。長崎に落とされたファットマンは核出力がTNT火薬22キロトンとされ、高度約550mで爆発している。

以上の情報からざっくりした単純計算ではあるが、次のような計算ができる。

原子爆弾の威力は、原子爆弾のTNT換算値がキロトン単位になっていることからわかる通り、天津爆発事故と比べて約1000倍である。

広島・長崎の爆心地に人がいたとすれば、その距離は先の動画(「tianjin explosion broken window!! 」)に比べ、約半分。爆発は球状に拡散するので、エネルギーは距離の3乗に比例して小さくなる。距離が半分になれば、受けるエネルギーは8倍となる。

つまり、広島・長崎の爆心地直下にいた人は、この動画撮影者が感じた衝撃の、1000×8=8000倍ものエネルギーを受けたことになる。想像するだに、恐ろしいとしか言いようがない。改めて、戦争など起こって欲しくないと、実感した。

(引用データはすべて2015/08/17に閲覧・確認したものです)


現在ご覧のページの最終更新日時は2015/08/17 02:00:08です。

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