N.Y.Cityのまちかど
LiteratureDB_with_Fullfree
Fullfreeで作る文献データベース
はじめに
研究を行っていると、論文や学会誌、その他各種資料をたくさん読み漁ることになります。とりあえず読み漁るだけならいいのですが、一度読んだ資料をあとからもう一度読み直したいとか、論文で引用するにあたって正確な文献情報を確認したいという時、何の記録も残していないと途方に暮れる羽目になります。
そのような事態を避けるため、読んだり興味をもった文献資料はデータベースに記録して管理するということを研究者は良く行います。単純にテキストファイルやExcelファイルで記録する人もいますし、ZoteloやMendeleyといった、文献管理ツールと呼ばれる専用のソフトウェアを使う人もいます。ZoteloやMendeleyも試しては見ましたが、海外製のソフトなので英語表記だし、日本の文化に合っていない部分もあります。おまけに余計な機能が多くて操作がややこしく、使い勝手は今一つでした。
汎用のデータベースではカード型データベースの使い勝手がいいです。カード型データベースの代表選手はFileMakerですが有償(しかも使っている間ずっとお金がかかるサブスクリプション方式)です。
できれば無償で使えて、国産のデータベースツールがないかと探していたところ、Fullfreeというツールを見つけました。多少の機能制限はあるものの無償版でも十分使えますし、有料版にするとしても8,800円(税込み:2023年5月16日現在)で買い切りなので、とてもお手頃です。元々顧客管理システムの構築用に作られたツールのようです。ユーザーインタフェースはシンプルで、カスタマイズもあまり効きませんが、見た目を気にせず単純にデータを収集・整理・検索するだけなら、汎用のデータベースツールとして使えるポテンシャルは十分に持っていると思います。またクラウドに対応していて、職場でも自宅でも同じデータベースにアクセスできるのも魅力的です。
このページではFullfreeの紹介と、私が作成した文献管理データベースファイルの配布を行います。
Fullfreeの導入
FullfreeWebサイトからインストーラをダウンロードし、インストールします。インストーラの指示に従って操作をすれば特に難しい事はないと思います。
DBの作成
Fullfreeはデータベースのテーブル構造だけを保存して配布することができます。私が作成した文献データベースのテーブル構造ファイルを配布しますので、ファイルメニュー→DBのコピー→開梱でこのファイルを開けば、取り込みが可能です。(それほど複雑な構造ではないので自分で作っても大した時間はかかりませんが…)
以下のファイルをダウンロードして開梱して下さい
オリジナル文献管理データベースの構造
テーブル構成
「文献種別」と「文献台帳」の2テーブルからなります。
「文献種別」はその名の通り、文献の種類を収めたマスタテーブルです。
「文献台帳」が一番メインの情報であり、1文献1カードで情報を記入していきます。特徴は「関連文献」として、文献台帳の自己参照ができるようになっていることです。論文の参考文献欄に示されている論文や同一特集に収められている論文などが「文献台帳」に保存されている場合、その情報へのリンクを複数記録しておくことができます。
データの入力
文献IDはユニークな数値が自動的に付与されます。
それ以外の部分は必要な情報を貼り付け・記入していきます。必須項目はないのでわかる部分だけ記入すればOKです。データを探すときは全文検索で探すことを前提にしているので、細かい書式などは気にせず検索時のヒントになりそうな情報が収まっていればいいと思います。
URL欄とファイルパス欄を設けているので、J-Stageなどオンライン公開されている論文についてはURLを、PDFなどでローカルに保存したファイルはそのファイルパスを記載しておくことで、該当文献にすぐアクセスすることができます。
文献種別はクリックすると「文献種別」テーブルの一覧が表示されるので、該当の情報を選びます。
関連文献はクリックすると「文献台帳」記載のデータが一覧で表示されるので、関連する文献の情報を選んで記録します。
データベースの共有
Fullfreeの「データベースの共有管理」機能を使って、データベースの情報をFullfreeのクラウドサーバに保存しておけば、自宅と職場で同じデータベースを閲覧編集することができます。(複数人グループで共同使用することも勿論可能ですが、無償版では共有できる人数がかなり制約されます)
詳しくはFullfreeヘルプの「データ共有(クラウドモード)」を参照して下さい。
現在ご覧のページの最終更新日時は2023/05/16 10:50:46です。
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