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Heron's formula
ヘロンの公式(三角形の3辺の長さから面積を求める)
この文章は、友人にされた質問への回答をメモとして記録したものです。
解法
ヘロンの公式を用いる方法
一般に小学校の算数で学ぶ三角形の面積公式は底辺の長さと高さから面積を求める方法であるが、3辺の長さから面積を求める公式が知られており、「ヘロンの公式」という。
ヘロンの公式 三角形の辺の長さをa,b,c、sは周の長さの半分、面積をSとする |
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これに従うと、答えは以下のように求められる。
ピタゴラスの定理(三平方の定理)を用いる方法
この方法は、そのままヘロンの公式の証明ともなる。 煩雑だが、一応中学校レベル。
図のように、点Bから垂線を下ろす。垂線の長さ(すなわち三角形の高さ)をhとする。この垂線で辺ACはpと(c-p)の長さに分割される。
三平方の定理から、以下の式が求められる。
(2)を変形して
(5)を(1)に代入して
さらに(9)を(1)に代入して整理すると
(13)を因数分解していく。因数分解の公式
「和と差の積は二乗の差」 |
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を活用する。(13)から公式を用いて因数分解し、整理する。
次に、公式
を活用し、(17)の小かっこ内を因数分解すると
(18)中括弧の中も「二乗の差」になっているので、因数分解できて
ここで三角形の周の長さ(2s)を導入すると
三角形の面積(S)を求める公式と比較すると、ヘロンの公式が得られる。
おまけ・プラグマプタの公式
ヘロンの公式は、ルートの中がちょっと「美しくない」。sが一つだけ孤立して存在している。
赤丸で囲んだsが孤立している |
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数学を扱う上で、「美しい」or「美しくない」という感覚は重要である。学校で数学を学んだり、利用する中で多くの「正しい公式」に親しんでいると、「正しい関係式・公式には独特の美しさがある」ように感じる。(この感覚を身につけると、自分の行っている計算や証明がが正しいかどうか、なんとなく判断できたりする。)
さて、このヘロンの公式における「美しくないs」だが、ちゃんと美しくすることができる。
ヘロンの公式を拡張した「ブラマグプタの公式」というものがある。この公式は「四角形の面積」を求める。見事に、ヘロンの公式における「美しくないs」が美しくなった。
ブラマグプタの公式 四角形の各辺の長さをa,b,c,d、周の長さの半分をs,面積をSとする |
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ただしその条件としてその四角形は「外接円」を持たなくてはならない。(ヘロンの公式の場合、三角形は必ず外接円を持つのでこの条件は気にしなくてよかった。)
例えば、外接円を持たない四角形として「凹四角形」がある。
(左)外接円を持つ四角形(それぞれの対角の和が180度ならば外接円を持つ) (右)外接円を持たない四角形(凹四角形) |
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現在ご覧のページの最終更新日時は2015/03/15 00:47:58です。
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