コリン・クリービーの写真教室

~Colin Creevey PhotoGraph Class~

第7回 写真を撮影する4

〜カメラの目 露出計を知る〜

さて、露出計そのものは、かなり前から愛用されている道具で、 最も有名なのはセコニックという会社の物だね。 勿論、他にもいろいろな会社が作ってる。 セコニックのようにカメラ用品専門店が作るものもあれば、 カメラメーカーが出しているシリーズもある。 昔は針の振れを見て目盛を読み取るアナログ式だったけれども、 最近では直に数字を表示してくれる、デジタル式も多い。 まずは、露出計機能だけをもった機械(これを単体露出計という) のしくみについて、学ぼう。

4.単体露出計

単体露出計には、主に2つに分けられる。 入射光式露出計 反射光式露出計 デジタル式では、入射光式と反射光式を両方備えているものがほとんどだけども、 基本的には分けて考えるべき。それぞれの特徴を学ぼう。

4-(1) 入射光式露出計

露出計の中でも、一番正確に露出を算出する事が出来る方式。 勿論、使い方を間違えなければ、の前提だけども。 一般に半球状で乳白色の受光部分を持っている。 標準的な操作は、被写体の前に露出計を持っていき、 受光部分をカメラのレンズに向ける。 そのときの、針の位置(デジタル式なら表示の値)を カメラにセットする。 基本的にはこれでOK。 但し、これは被写体の反射率が標準的であると仮定した場合の話で、 普通はそのままで良いのだけれども、被写体が極端な反射率 である場合は、補正をする必要がある。
・画面全体が白っぽい(反射率が高い)場合は 入射光式露出計が示す値よりも 1/2 〜 1 段絞り込む。 カメラの露出補正機能(※)を使う場合は +1/2〜+1に合わせる。 ・画面全体が黒っぽい(反射率が低い)場合は 入射光式露出計が示す値よりも 1/2 〜 1 段絞りを開む。 カメラの露出補正機能を使う場合は -1/2〜-1に合わせる。
(※ 露出補正に関しては後述) 被写体の中で光線にムラがある時は、明るいところ、暗いところのそれぞれで 露出を計り、その中間を合わせると、上手くいく。 明るい所にあわせると、暗いところがつぶれ、 暗いところにあわせると、明るいところが飛ぶから、 その中間をとっているわけだね。 また、フラッシュメータという物がある。 これにはデジタル式しかない。 基本的には普通の露出計(入射光式、反射光式の両方)だけども、 スイッチを押している間、光を計測しつづけ、その中で最も明るかった 時の露出を記録して表示してくれる露出計だ。 なんで、そんな機能がいるのか。 ストロボを使った時に どのような露出を出せば良いかを計るための機械なんだね。 通常の露出計としても使えるから、最近のデジタル式露出計は ほとんど全てにこの機能を搭載している。 これに対して、(ストロボを使わない)通常の光を測定する物を 定常光向けと言ったりする。

入射光式露出計(アナログ)
入・反射光式露出計(デジタル) フラッシュメータ機能付き

セコニック スタジオ・デラックスII

セコニック フラッシュマスターL-358

4-(2) 反射光式露出計

もう一つの方式が、これ。 入射光式が、被写体に当たる光を直接測定するのに対し、 こっちは被写体に反射した光を測定する事で、露出を得る。 いちいち被写体の前まで動く必要がないから、使うのは楽。 その代わり、しくみを良く理解していないと、正しい露出は得られないよ。 AE(自動露出)での測定用に用いられるのもこの方式だ。 まず、被写体に反射した光を測定するわけだから、 被写体の表面材質(正確には反射率)が大きく測光結果に影響する。 まず、露出計は被写体が無光沢の18%グレーである時、 正確な値を出すように設計されている。 これは、様々な被写体の反射率を平均すると、この値になるからだ。 従って、極端に白い被写体や、黒い被写体の場合は、 露出を補正してあげる必要がある。 反射光式はすべて定常光向け。 扱いが簡便な分、正確な測定は難しいよ。 反射光式の仲間として、スポットメータというのがある。 単体露出計だけども、他の露出計とは形が違って、 グリップの付いた拡声器のような、拳銃のような形をしている。 ファインダーを搭載していて、これを覗くと中心部分に印がある。 ここに測光したい部分を合わせて測光すると、あるピンポイントを 正確に測光できるというわけ。 被写体に当たる光の量にムラがあって、正確な位置の露出を計りたい時に用いる。

反射光式露出計(アナログ)

スポットメーター(アナログ)

セコニック Auto Leader L-188

ペンタックス スポットメーター V

5.自動露出(AE)

5-(1) AEへの道

いくら反射光式露出計の使い勝手が良いからといって、 やっぱり露出を計算してからカメラにセットして、シャッターを押すのでは 機動力に欠ける。 そこで、まずはカメラの中に反射光式露出計が組み込まれた。 初期の内臓露出計は追針式と呼ばれるもので、ファインダーの中に小さな針が映って、 その針を見ることで露出を見るんだ。 針が明るさに応じて動き、その針とマークが重なるように 絞り、シャッタースピードを調節して露出を合わせる方式。 マークは絞りに連動するものや、絞りとシャッタースピード両方に連動するものとかがある。 もう一つ定点式というのもあった。ちょっと見は追針式と似ているけど、 マークの位置は固定で、そのマーク位置に針が来るように 露出を調節する方式。針は露出計の出した適正露出から、現在の露出設定が どれほどずれているかを示しているんだね。 ちなみに、世界で最初に露出計を搭載したのはなんと2眼レフカメラ。 (2眼レフ:1眼レフがファインダーレンズと撮影レンズを共用しているのに対し、 それぞれのレンズが別れているカメラ。 上から覗いて使う。) ツァイス・イコン社が1935年に発売したコンタフレックスという 35mm2眼レフカメラに、搭載されたんだ。
上部にある乳白色の部分が受光部。 セレン光電池という、最も古いタイプの 受光素子が使われている。

ツァイス・イコン社 コンタフレックス
ちなみに、日本のカメラで最初に露出計を搭載したのは オリンパスワイドE(1957年)。 ちなみに。 日本で最初にEE(後述)を搭載したのはオリンパスオートアイなのです。 そして世界初のプログラムカメラがオリンパスペンEE(!) 日本の露出機構においては、オリンパスが老舗みたいだね。 そして、コンピュータや各種アクチュエータ(電気信号を動きに変える装置:モーター等) が極々小さく作れるようになると、必然的にカメラを発展させようという考えが出てくる。 露出を全て自動でセットするカメラ。これに組み込まれた仕組み、 これがAE(Auto Exposure)だね。 しかし、実際には、いきなりAEが出来たわけでなく、その前に EE(Electoric Eye)というものを作ったんだ。。 最近ではEEもAEも区別をしなくなって来ている(というか、EEは死語になりつつある)けど、 厳密には区別されるんだ。 EEは、内臓露出計が計測した明るさに従って絞りを自動調節する仕組みなんだ。 つまり、常にシャッター速度優先になっていたわけ。猫の目を想像するといい。 暗ければ開き、明るければ閉じる。 なぜ、絞りを調節したのかっていうと、 当時、シャッターはまだ機械式で、露出計の動きからシャッターを自動調節するのが 難しかった。だから、どうしてもシャッターは手作業で操作してもらうしかなかった。 後になって、電子シャッター(電子回路でシャッタースピードを調整するもの) が搭載されるようになってから、露出計がシャッターを制御するのも容易になったために 絞り優先のAEが出てきた。結局、それがEEと紛らわしく、意味が一緒になってしまったんだね。 一方、AEはそのものずばり、自動露出だ。これは電子シャッタにより (既存のシャッター速度にとらわれない)中間のシャッタースピードを使えるようになって 始めて実現された。一般にプログラムAEと呼ばれるものは カメラの中にいくつか記録されたモードを自動的にコンピュータが選択して、 露出計の値を元に自動で最適な露出をはじき出すもの。 ちなみにモードはレンズの焦点距離で出されることが多いね。 モードとしてよくあるのは風景モードや、ポートレートモード、スポーツモード等。 (メーカーによって呼び方やアイコンは違う) 風景モードは出来うる限り無限遠(ピント位置より後ろの物全てにピントが合う)にするモード。 ポートレートモードでは、人物撮影によく用いられる80mm近辺で、 ほどよい背景ボケが得られるように設定されたモード。 スポーツモードは、出来るだけ高速なシャッターを切れるようにしたものだ。 各モードにおいて、絞りとシャッタースピードがどのような動きをするのかを 示したグラフをプログラム線図という。カメラの性能をチェックするときに よく出てくるから、おぽえておくといいかもしれないね。

5-(2) AEの特性

さて。AEに使われている露出計は、勿論反射式だね。 だから、その特性も基本的には反射式露出計の特性そのものなんだ。 主に、中級〜上級機では、測光の方式をいくつか切り替えられる。 メーカーによって名称が違うけれども、基本的には次の3つ。 それぞれの特性を解説しよう。 上の図は、3つのモードそれぞれを示してる。 各々の位置が、カメラのはじき出す露出にどれほど影響を与えるのかを 影響を与えない(青)〜中間(緑)〜最も重要(赤) に色分けして示してる。 左のスポット測光は、先述のスポットメータのように中心部分の露出のみを 計測するものだね。 逆に右側は、ほぼ全体の露出を均等に考慮する平均測光。 真ん中は、その間を取った中央重点平均測光。 これが一番便利で、多用されるね。 AEを使うときには、AEロックという機能を上手に使うことで、 カメラ一つでもかなり正確な露出を出す事ができる。 特にスポット測光を使う場合は、AEロックなしで写真を撮るなかれ! 基本的には、スポット測光点に、“被写体の中で最も明るい点”を 合わせ、AEロックを押す。すると、露出がロックされるので、 そのまま構図を合わせて、撮影する。 正確な露出を要求されるリバーサルフィルムでの撮影や、 極端に明度に差がある被写体を撮るときには必要不可欠だね。 もっとも、コンピュータカメラでは、 上のように計測した情報をさらにいくつかに分割して、 それぞれのエリアの値を計算する事によって、出来るかぎり簡単に、 正確な露出が得られるように工夫している。これを分割測光とか、多分割測光という。 普通は、中心部分に重点をおいて測光するように設計しているから、 初級機のように測光方式が切り替えられないものは、 中央重点測光と考えて撮影して、ほぼ間違いないとおもう。 Topに戻る 写真教室に戻る