コリン・クリービーの写真教室
~Colin Creevey PhotoGraph Class~
第4回 写真を撮影する1
〜構図の決定〜
さて、いよいよ撮影しよう。
基本的にはこの項目で教えられる事は何もない。
なぜならばここは個人の感性にのみ左右される所であって、人がどうこう言える所じゃない。
でも『無責任な!』と怒るのはもう少し待って欲しい。
勿論撮る内容は人によって風景だったりポートレートだったり電車だったりいろいろするけど
その根底にはやはり知識と技術がともなう。その知識を紹介しようと思うんだ。
今回は構図にスポットを当てる。
写真はある限られた面積に世界を切り取るのだから、その中でのバランスは非常に重要になる。
しかし、この構図の知識の基礎は「人間が見て安定している」ということ。
1.被写体の位置、配置からとらえる構図
1-(1) 基本パターン
風景写真
構図名
|
解説 |
中央
| 被写体を中央に持ってくる |
平行
| 画面(印画紙)の縦横に平行に被写体、背景を配置 |
対角線
| 画面(印画紙)対角線に沿って被写体、背景を配置 |
三角形
| 画面に三角形を形成するように配置 |
一点透視
| 消失点を画面上に1つ設ける |
二点透視
| 消失点を画面上に2つ設ける |
三点透視
| 消失点を画面上に3つ設ける |
S字曲線
| S字を描くように配置する |
フレームインフレーム
| 写真の中にさらに枠(のようなもの)をつける。 |
他にも、いろいろある。さらに逆三角形など、応用を含めると、もう紹介しきれないくらい。
さて、この表に挙げた中では透視とフレームインフレームがわかりにくいと思う。
透視とは製図、あるいはデザインの世界で、2次元平面上に3次元を書き表す手法で、
奥行きを表現するにはこれがとても効果的。
V.P.とは消失点の事。この図では無限に遠くまで立方体が続いているように見えるけど、
これを適度に切ると直方体になる。
実用例としては、道や、線路を取るときに効果的だね。
奥行きを表現する最も単純な透視法だよ。
左右に消失点を置くとこのように両側に奥行きが表現されるんだ。
この図では視点は壁の高さの半分の位置にそろえてあるけど、
消失点を各々上に上げれば上から見下ろした図になるし、下げれば見上げる形になる。
たぶん、消失点を上下に持ってくることも可能と思うけど、あまり見ないなぁ。
さらに、三点透視(上の2つを複合したもの)もデザインの世界ではあるんだけど、
(図も作りたいですが非常に難しいので知りたい方はデザインについての書籍などで調べて下さい)
一例としては背の高いビルなどを低い位置から見上げた状態を想像してみるとわかりやすいかな。
遠近感の度合の調整はレンズに因るところが大きい。
非常に極端な(デフォルメされた)遠近感を表現できるよ。
撮り方としてははできうる限りレンズを広角にして、被写体に近づいて撮る。
広角レンズ特有の歪みが、遠近感を表現するんだ。
レンズのなかで一番広角なのは、魚眼レンズ(フィッシュアイレンズ)だけど
画面全体の歪みが大きくて、遠近感云々以前に非現実感が前に出てしまう。(と僕は思う)
他に身近な例としては『The Dog』かな。あの鼻デカ犬ね。
ダックスフンドなんかよくわかるけど鼻が近くて尻尾が異様に遠くに見えるでしょ。
あの効果を狙ってるわけ。ちなみにあの構図はほぼ1点透視だよね。(尻尾のずっと奥にV.P.がある)
遠近感を表現するにはもう一つあるけれども構図とは離れてしまうのでこれは後で説明する。
フレームインフレームっていうのは、写真のなかに、さらに枠のような物を撮ること。
たとえば桜のトンネルの中を撮るとか、窓の外から窓枠を入れつつ撮るとか。
上手く使うと印象強い写真になるよ。
人物写真(正面から撮る場合)
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構図名 |
解説 |
|
フルショット | 足先から頭まで全身を撮る |
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バストショット | 胸から上をとる |
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ポートレート | 肩口から上(証明写真みたいな構図) |
ほかにも色々あるけどとりあえずこのぐらいかな。
人物を撮るときは風景写真より自由が効く。その分人によって個性が出やすいけど、
やっぱり見て安定するという事が基本。
基本パターンから構図を決定する方法は主題がわかりやすい反面、
安易な写真になりがち。各パターンの特徴をよく捉えた上で使おう。
1-(2)空間を活用する
人物写真で視線を正面からずらすときは、その視線の先に空間をもってくることで広がりを表現できる。
例えば子供が何かを欲しそうに写真に向かって右を見ているとき、
右側に空間をもってくると、その先に何があるのかを想像させることができる。
(もちろんその視線の先に何があるのかは写さないのが前提。写すと、また別の感じになる。)
単純に主題を中心に置く場合でも、ぐっと拡大して周りを断ち切るようにすると
その被写体の迫力を、逆に
周りに間を置くと 孤立感や、その被写体がいる状況を説明する事ができる。
これは撮影者の主観で決めるべき事だけど、
ちょっと頭の片隅に入れておくといいのが黄金分割(黄金比)
すなわち1:√2の比率のこと。
これは人間の目に最も安定して見えると言われている比率だけど、
これを上手く活用することもできる。もっとも人の目が見て安定しているかどうか考えるわけだから
必然的にこれに近づくと考えられる。
構図は、このような基礎知識によって決まる。
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