星かげさやかに
「オリオン座は冬の代表的な星座で、有名な四角形の形はベテルギウス(0.5等級)
リゲル(0.16等級)、セイフ(2.6等級)、ベラトリクス(1.64等級)の四つで出来ている。
さらに中心には3つ斜めに星が並んで.....」
洋皮紙の上を羽ペンが軽やかに滑っていく。
「今日の授業はここまで。」
ペンのインクがなくなって紙の上を空滑りした時、先生の一言が授業が終わりを告げた。
「ハーマイオニー!」
「なに?ハリー。」
ほっと一息つきながら談話室で本を読んでいたハーマイオニーに声をかけてきたのはハリーだった。
「オリオン座にある星雲の名前ってなんだったっけ?」
「『オリオン座大星雲』よ。等級5.67。」
「...5.67っと。ありがとう。そういえばさぁ...」
といつもの会話に戻り、いつも通りにぱらぱらと自分の部屋に戻っていった皆であった。
その日の夜。
妙に頭が冴えて眠れなかったハーマイオニーはその日の授業分を一通り読み終え、
うつらうつらとベッドに横になっていたのだが...。
妙な気配がする。 なにかが違う。
そんな気がして起きて周りを見回して見る。 だれもいない。
気のせいかと横になろうとしたとき、視界の横が少し歪んだ気がした。
勿論確認したとおり、人はいない。人はいないが...
ハーマイオニーは気がついた。空間が歪んでいることに。
陽炎の様にごくごくわずかに歪んでいるのだ。
すっとハーマイオニーはそこに向かって手を延ばす。
一瞬、質のいいシルクのような感触がした。
「...ハリー?...」
返事の代りに手だけが突然空間に現われて入り口の方へと手招きした。
いわれるがままに廊下に出るとハリーがにゅっと顔を出した。
「ハリー、あなたはここに来てはいけないはずよ。」
「...ごめん。...」
「で、何の用?まさか私の寝顔を見に来たなんて訳じゃないわよね。」
うっと一瞬詰まった...ような顔をしたハリーは小声でささやいた。
「展望塔へ行こう」
初冬の夜の空気は冷たく、しかしその分空も澄んでたくさんの星を空に瞬かせていた。
展望塔に登るとハリーは一際目立つ大きな星座、オリオン座の方角に向いた。
「願い星ってハーマイオニー、知ってる?」
二人とも思った以上の空気の冷たさに思わず首をすくめながらもハーマイオニーは首を振った。
「オリオンの三つ星の中の一つ、ベータ星の事を昔から願い星って呼んでるんだ。
なんでも願いをかなえる星ってね。」
そういうとハリーは静かにオリオン座に向かって手を組んだ。
思わずハーマイオニーも手を組み、ふたりして願い事をしてからハーマイオニーは切り出した。
「何をお願いしたの?」
ハリーは悪戯っぽく答えた。
「『君と同じ事をお願いします』ってね。」
嘘か本当か思わずハーマイオニーも微笑みながら、自分の部屋へと一歩踏み出した。
帰る途中、ハーマイオニーはこう聞いてきた。
「で、本当にここに呼ぶことが理由だったの?」
「120%の大成功ってとこかな。」
(と、いうことは私をここに連れてこれたのは予想以上の事だったってことね。)
じゃあ何をしに来たの? などと野暮な事は聞かないハーマイオニーだった。
オリオン座は静かに地上をみつめていた。
後書き
え〜。ハリロンの次はハーハリです。
何だか色々な事を(?)想像させる小説だと思うのですが、
それを味だと思って読んで下さい。
想像のなかだけで楽しみたい人はこの標準版だけで御楽しみ下さい。
Harrys Opinion,Hermiones Opinion)では各々が何を考えているかが
書かれてしまっているので。(でもおまけのシーンが入っているとかいう噂が..。)
私?私の考えているのは...が...で...ですよ。(笑)
では、まずはハリーの視点から書いたHarrys Opinionが登場する予定です。
ギャラリーに戻る
Topに戻る