『ハーマイオニーの疲れる一日』

(この小説は「ハリーポッター友の会」に投稿した作品です)

とある休日の朝。
休日だからといって朝寝坊しないハーマイオニーは窓から差し込む鮮やかな日光に包まれて目を覚ました。
すっきりとした朝の空気に包まれながらハーマイオニーが机の上を見ると..
教科書が消えている。本も。 全ての教科書やら読み物の類が自分の机の上から消えていた。
ハーマイオニーは飛び起きて目をこすった。
そこにあるのはがらんとした机に羽ペン、インク瓶が乗っているだけだった。
机の下、横、裏、考えられる場所は全て探した。ない。
図書室に置き忘れたかしら..?
しかし図書室に行く途中でハーマイオニーは思い返した。
自分のもっている本全て図書室に置き忘れたなんてありえない。
それじゃ一体..?ハーマイオニーはグリフィンドールの談話室へと進路を変えた。

談話室ではハリーとロンが次のクィディッチの試合の計画について論議を交しているところだった。
「シーカーの君はやはり上から..」
「いや、ここは裏をかいて横から...」
そこに息せき切ったハーマイオニーが駆けこんできた。
「..ハリー!!ロン!!」
「ハーマイオニー!朝からどうしたのさ!そんなに慌てて。」
「本が..教科書が..昨日はあったのに..」
「ちょ..ちょっと落ち着いてよ。ハリーも..ねっ?」

ひとまずロンはハリーとハーマイオニーを椅子に座らせて温かい紅茶を持ってきてハーマイオニーに勧めた。
「ありがとう。もう大丈夫。だいぶ落ち着いたわ。」
「ならいいけど..。あ、君の話の前にこれ、先生からあずかったんだ。この間の小テストの結果。」
そう言うとロンは一見なにも書かれていない紙を渡した。
なにも書かれていなかった紙はハーマイオニーが紙を軽くつつくと緑色に光る文字が勝手に書き出されていった。
ハリーとロンはみるみるうちにハーマイオニーの顔が真っ青になっていくのを見た。
二人は顔を見合わせるとハーマイオニーの指先が細かく震え出す頃、やっとハリーが口を開いた。
「ハ、ハーマイオニー?」
「うそ、うそでしょ?試験が...結果が..こんな..あぁ!」
珍しくうろたえるハーマイオニーの様子に驚きつつ、ハリーが紙を手にとると
そこにはこう綴られていた。
『Your exam result--12/50 .You have to do supplementary exam.』(あなたの試験結果は50点中15点、追試が必要です)

「まさか...君が、君が追試??そんなこと天地がひっくり返ってもありえないと思ってた。」
「あぁ、ロン!!それは私の台詞よ!!もう今日は教科書はなくなるしこんな手紙は受け取るしもうさんざんな1日だわ!」

「「教科書がなくなる?!」」

「えぇ、そう!朝起きたら教科書もなにも私の持っている本の類は全て消えていたわ!!」
「でもあんなもの全部持ったら重くて歩けたもんじゃないんじゃない?!」

そのハリーの一言はハーマイオニーにひらめきを与えた。
「もし歩いていないとしたら?物体を離れたところから動かす魔法なんて容易じゃないわ!じゃぁ誰が?一人いるじゃない!!」
「一人いる?」
「ピーブズよ!ポルターガイストの!」
...「そいつは心外だな」....
不意に声がしたと思うと窓の外からピーブズが入ってきた。
「俺は夕べはずっとハグリッドと一緒にいた。聞いてみろよ。」
「じゃぁ..一体誰が、一体..」

その時、談話室のドアがあいてヘドウィグが飛び込んできた。口に一通の手紙をくわえて。

ハリーが受け取ると宛名にはこう書いてあった。『親愛なる ハーマイオニーへ』
ハーマイオニーが封を開けるとまた緑色に光る文字が書かれていった。
『ハーマイオニー君へ。今日は朝から大変だっただろう。私はなぜこの様なことが起きたのか知っている。
誰が考えて実行したのかもね。でもここで答えを教えてはつまらないだろう。そこでささやかながら私からヒントをあげる。
聡明なるハーマイオニー君にはこのヒントで十分だと思う。ヒントは..(マグル学と日付)だ。  ロックハートより』

ハーマイオニーは手紙の意味を考えるあまりハリーとロンが互いに目配せをしたのにも気付かなかった。
マグル学..日付..今日は何日?..4月1日..マグルの習慣で4月1日は..
ハーマイオニーは突然顔を上げた。
「ハリー!!ロン!!あなたたちの仕業ね!!!」
二人は飛び上がって驚いた。
一瞬二人を睨みつけたハーマイオニーはすぐに元の顔に戻ってつぶやいた。
「..でも、怒れないわね。」
「ハーマイオニー、突然何を..」
「...前にマグル学の本で見たことがあるわ。マグルの世界において4月1日は
嘘をついてもよい日、『エイプリルフール』よ。でも私の友達でこんな本を読んでいる人は
知らないわ。だとしたら最初から本を読まずとも知っている人物、マグルの人。
ハリー、あなたしかいないわ。でも、ハリーだけがやるのではこの計画は不可能だわ。
少なくともロン、そして..」
ハーマイオニーは天を仰いだ。
「ロックハート先生!お聞きですよね!」

談話室の扉が大きな音をたてて開いた。
「御名答!ハーマイオニー君、君はやはり頭が良いね!」
突然、ハリーとロンが吹きだした。どうやら我慢していた笑いが一度に込み上げて来たらしい。
「その通りだよ、ハーマイオニー。ロックハート先生とつい一週間前に話しあってきめたんだ。
そうですよね?先生。」
「そう。君はどうも最近ますます本と勉強に熱中しはじめたようだからね。
たしかに勉強は多くの知識を生む重要なものだ。しかし何事も過ぎたるは及ばざるが如し、だ。
息抜きになれば、と思ってね。余計なお世話だったかな?」
「いえ、そういうことであれば..。ただし、あの試験結果も嘘ですよね?」
「その通り。本物はハリーが持っているはずだ。」

ハリーは内ポケットから一枚の紙を取り出した。やはり白紙のそれは指でつつくと文字を浮き上がらせた。
『Your exam result---112/50. Great!』(あなたの試験結果は50点中112点、素晴しい!!)

「本は元の場所に戻しておいたよ。二人とももう少し早く教えてあげればよかったのにねぇ。まぁ、
ゆっくり休んでおくれ。」

一見落着の後、部屋に帰ろうとするハーマイオニーの後ろでハリーにロンがつぶやいた。
「..ハーマイオニーって本としか恋愛できないのかな?」
「....ロン!」
「うぁ!嘘、嘘だってば!今日はいいんだろう?!」

怒るに怒れない、ハーマイオニーのつかれる一日でした。

Topに戻る ギャラリーに戻る