Midnight date

〜2/14 夜10時〜
ハリーとロンの部屋にコンコンとノックの音が小さく響いた。

「いいよ。」

ロンの声を聞いてドアが開く。
ドアの向こうには....誰もいなかった。
ロンは何も言わずドアを閉めるとわずかにベッドの前の空間が歪み、透明マントに隠されていた
ハーマイオニーが姿を表わした。

「はぁ..緊張した。」

ハーマイオニーがなぜ夜10時にこんな所にいるのか。理由は3日前の日記にさかのぼる。

『2/11 ロン
 やぁハーマイオニー!いよいよ今年度も終わりになってきたけれども、調子はどうだい?
 君はいいよね。試験のけっかはいつも優秀、点数について頭を抱える事もないだろうし..
 (気を悪くしたかな?ならごめん。)僕なんかいつもの小テストですら頭痛の種だよ。
 レポートもださなきゃならないし、ね。あぁ、レポートの事を考えただけで君の
 長〜い洋皮紙が目に浮かぶようだよ。じゃ、これからレポートを書きます。 おやすみ。』

『2/12 ハーマイオニー
 何を言ってるのよ!私だって成績で悩む事だってあるわよ!
 たしかにレポートは長いかも知れないけど...。
 ところで明後日の夜10時、起きてる? 絶対に起きててほしいんだけど..。
 ...それも徹夜覚悟で。いい? ハリーは確かクィディッチの練習って言ってたわよね。
 隠れて行くから驚かないでね。』

『2/13 ロン
 て、徹夜覚悟?! ん..まぁがんばってみるよ。そう、ハリーは練習だよ。
 いつも練習の後はみんなで会議してから帰るみたいだから遅いんだよね。
 でも突然だね。ずいぶん。』



「さぁ、ロン!コートを着て!!外に出るわよ!」

「え?外?でも今からどうやって..?」

「これを使えばいいのよ」

そう言って取り出したのは1枚の洋皮紙だった。
古ぼけた紙に見覚えのあったロンはあっと声を上げた。

「それってたしか...??」

なにも言わずにハーマイオニーは杖で紙をつつくと声を上げた。

「われ、ここに誓う。われ、よからぬことをたくらむ者なり!」

すぐさま紙の上には十分すぎるほど“評細”な地図が表示された。

「じゃぁ外に出るって..!」

「そうよ。ほら透明マントをかぶって!行くわよ!!」

二人が透明マントの中に入ると、かすかな香水の香りがロンの鼻をくすぐる。
思わず自分のすぐ近くにハーマイオニーがいることを実感して
一瞬心臓が高なるロンだったが、突然前にいるハーマイオニーが止まったために
その気持ちは打ち消された。

「どうしたの?まだ廊下にも出てないよ?」

「しっ!!ミセス・ノリスがいるのよ!」

静かに扉を開けると、2人は音をたてないように細心の注意をはらいながら廊下を進んでいった。

寮の扉を開けるとき、太った婦人は驚いて目を覚ましたが、なにも見えないので目を白黒させながらも
また眠ってしまった。

そろそろと階段をのぼり、4階の廊下にある隻眼の魔女の像までたどり着くと杖を取り出し、
像を小突きながらつぶやいた。

(..ディセンディウム、降下...)

像に出現した抜け穴に二人が滑り込むと二人は胸を撫で下ろしながら言った。

「「いたずら完了!!」」

ロンが地図をしまっている間ハーマイオニーは杖をかざし

「ルーモス、光よ!」

と唱えてあたりを照らした。
相変わらず歩きにくい凸凹した道をすすんでいくと大きな階段にぶつかった。
100段、200段と進んでいくと上に木で出来た開き戸。
二人で押し上げるとそこはハニーデュークス店の倉庫だった。
二人は透明マントを再びかぶると不用意に床を軋ませないように注意して
外に出た。

「やった!ロン成功よ!」

「はぁ...助かったぁ..」

「ほら、ロン!成功したんだから、ねっ?『三本の箒』に行こう!」

「えっ?あっ、わっ!!」

半ば引っぱられるようにロンは賑やかな夜の町を進んで行った。

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